高等専修学校(専修学校高等課程)=高卒・同等資格
学校・支援団体の解説構造の「学校関連」
高等専修学校(専修学校高等課程)=高卒・同等資格
専修学校は、主に職業上に必要な専門的な技術・技能を学ぶ学校教育法で定められた教育機関です。
入学対象者の条件によって3つの課程に分かれます。
卒業(または同等の大学入学資格者)が入学対象となる専門課程、中学校卒業生が入学対象となる高等課程、入学対象者の学歴を問わない一般課程です。
専門課程のある専修学校は専門学校を校名に用いることができます。
高等課程のある専修学校は高等専修学校を校名に用いることができます。
専修学校制度は、1976年(昭和51年)にそれまでの各種学校制度を充実させることで生まれたものです。
多くは全日制ですが、夜間のところもあります。
各種学校と専修学校の主な違いを下の表(省略)に示しておきます。
高等専修学校には、主に職業上の資格を取得することを目標にするものがあります。
たとえば准看護科(医療分野)、調理科、理容科、美容科(以上、衛生分野)などです。
その一方で、3年制(以上)で一定基準を満たし文部省より認可を受けた高等専修学校の卒業生は大学入学資格が認められています。
これらの条件により、高等専修学校(少なくともその一部)は、高等学校と並ぶ後期中等教育の機関として、高校教育の複線化を図るものとみることができます。
美容師、理容師の資格取得条件が高校卒業(同等以上)に変わり、美容師、理容師を養成する高等専修学校は、3年制の大学入学資格取得の指定校に移行したり、通信制高校との技能連携などにより、この条件を満たすように移行すると考えられます。
調理師養成でも高校卒業を条件に求める動きがあり、同様の移行が推測できます。
准看護婦の資格は、将来的には廃止され、看護婦資格に統合されることになっていますので、准看護婦養成の高等専修学校も、いずれは何らかの対応を迫られる時期が来ます。
このように、高等専修学校は、全体として高校と同等の後期中等教育の機関として成長することが求められている状況です。
さて、大学入学資格の取れる高等専修学校(大学入学資格付与指定校)は、次のように分けることができます。
(1)その専修学校独自の教育課程(科目履修)により、大学入学資格がとれる(高校卒業資格ではない)。
(2)その専修学校の教育課程と技能連携する定時制・通信制高校の教育課程の両方を履修することによって――高校には実際に通学を要しないでその教育課程(科目)を履修する場合もある。――その高等専修学校の卒業(大学入学資格)と連携する定時制・通信制高校の卒業(高校卒業)の両方を取得する。
上記(1)であっても(2)であっても、学歴上の法制的な扱いは同じですが、社会的承認の程度において(1)は「高卒でない」と処遇されることもあり得ます。
法制上の扱いを社会的通念としても同等にしていく環境が必要です。
人事院は、大学入学資格取得の高等専修学校卒業者を「高校卒業と同等の待遇」とすることを認めています。
不登校生、高校中退生を積極的に受け入れている高等専修学校は、各地にあります。
さらに、3年未満の高等専修学校(専修学校高等課程)もありますが、大学入学資格、高校卒業資格はありません。
高校卒業(同等)または有力な資格を取れない高校専修学校が全体として敬遠されているのは否めません。
全日制高校=高卒・同等資格
定時制高校=高卒・同等資格
通信制高校=高卒・同等資格
養護学校高等部と高校特殊学級=高卒・同等資格
技能連携校=高卒・同等資格
高等専修学校(専修学校高等課程)=高卒・同等資格
職業訓練施設=高卒・同等資格
通信制高校サポート校=高卒・同等資格
大検と大検予備校=高卒・同等資格
海員学校本科=高卒・同等資格
在外教育施設高等部=高卒・同等資格
外国の高校と“新方式の国際高校”=高卒・同等資格
外国の大学入学資格(大検の各国版)=高卒・同等資格
高卒・同等資格〈付録〉