全日制高校=高卒・同等資格
学校・支援団体の解説構造の「学校関連」
全日制高校=高卒・同等資格
「不登校生を受け入れてくれる高校」「高校中退生を受け入れてくれる高校」をさがし求めて、不登校情報センターに多くの問い合わせがあります。教育相談所などにも同様な事態が生じていることでしょう。
これに答えることは容易ではありません。
そのような高校が少ないからです。
「受け入れています」と言ってもせいぜい2~3名であったり「一家転住が条件」であったりしますので、「受け入れている高校」を列挙しただけでは、有力情報とはいいがたいのです。
また、こういう子ども(生徒)のなかには、長期にわたって学習が途絶えていたり、対人関係が苦手になっていることもあるので、表面的な情報提供として受け答えをしていても役に立ちません。
その子ども(生徒)の実情にあったところで考えなくてはなりません。
そうすると「受け入れてくれる高校」はますます少なくなります。
私の仕事は、情報提供を表看板にしていますが、その一方で「受け入れてくれる高校」を広げることも必要になってくるわけです。
といっても特別の手段はありません。
情報提供という形で可能性のある学校などを紹介し、当事者(子どもと家族)がその学校に相談に行くこと、それが実は受け入れる高校を広げる流れをつくっているように思います。
当事者の方からのこの学校への相談の様子を聞く機会があれば私にはまた一つの状況が見えてくるのです。
多くの全日制高校、特に都道府県立高校やほとんどの私立高校ではこれといった対応はありません。
5年制の高等専門学校も同じ状況です。
そのなかでも、いくぶんなりとも柔軟に対応しようとしている高校があります。
(1)単位制高校――数年前から全日制高校においても単位制(学年制に相対する制度)を導入した学校が生まれました。
履修科目に選択が多い、ホームルームがない、空き時間がある科目の単位認定が積み重ねになっていて留年がない、などのために、不登校体験者にとっては、比較的行きやすいのが特徴です。
難点は、学校数が少ない、入学定員が少なく競争率が高い、ホームルームがない点が裏目になって友達ができない……ことです。
(2)市立高校――中小規模都市の市立高校のなかで不登校や高校中退生に対応しようとしている高校があります。
都道府県立高校や政令指定都市立高校と違い高校数が少なく、その一校だけが態度を決めればよいという決定過程が比較的容易であることが影響していると思います。
(3)地域振興・山村留学・寮設備のある高校――農山村や海浜の人口減少地域にあり、寮設備を設けて、特に都市域の生徒を受け入れようとする高校があります。
この受け入れる生徒のなかに不登校生や高校中退生がある人数いても対応できるのです。
市町村行政当局の地域振興計画と結びついていたり、教育委員会の山村留学計画に基づいたりしています。
人口減少地域にある分校型定時制高校も町村行政側の援助を受けています。
これら主に公立高校です。
不登校生や高校中退生を積極的に受け入れようとして設立された学校も農山村地域に設立されることが多いので外形上はよく似た状態になります。
学生寮のほかに下宿(ホームステイ)型で対応しているところもあります。これは主に私立高校です。
なお東京都立と神奈川県立高校の全日制が97年度より、不登校生を受け入れ始めました。
転入または編入
「現在の学校をやめてほかの高校に変わりたい」という相談もかなりあります。
これも受け入れ校については、入学と基本的には同じですが、答える場合には、いくつかの留意点や調査を必要とします。
(1)いちばん大きな問題は、高校を変われば通学できるのか、ということです。
たぶん通学(登校)できる高校を紹介してほしいというのが真意でしょうが、ここなら行けないが、ここなら行けると判断できる材料は見つかりません。
子ども(生徒)は通学(登校)できる、できない以上に大きなテーマに直面していることが多いのです。
そのあたりから話をしなくては手がかりがつかめません。
(2)転入先の学科・学年(学級)に欠員があることが、転入学できる前提条件です(定員オーバーであっても少しなら可能なこともあります)。
これに関しては、都道府県教育委員会(私立の場合は都道府県の総務部局の担当が多い)で把握していますし、時おり新聞発表もされます。
それを確認のうえ、学校に直接に問い合わせをします。
入学試験や面接のうえ入学(転入・編入)できます。
(3)入試を受けるのに先立つ条件もあります。
これは都道府県その他の公立高校、私立高校によって同一ではありません。
たとえば私立高校から公立高校へ転入・編入できない地域があります。3年生の場合(あるいは年齢によっては)認められない、公立の場合は学区とかかわって一家転住でないと認められない……などです。
これらの条件は不合理なものばかりではありませんが、諸条件を調べてから対応しなくてはなりません。
以上のうち、(3)項については、公立高校のばあいどれか一つがネックになっていても単純にあきらめずに粘り強く交渉していく姿勢が大事だと思います。
それが教育行政と高校の厚い殻を破り、開かれた学校に変えていく取り組みになるからです。
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