(3)単位制高校(説明)
「高卒(同等)の種類と取り方」は1996年発行の『定時制・通信制高校と大検の活用』に書いたものです。今日でも有効ですが一部は古くなっています。全体を調べなおすことはできませんのでこのまま転載いたします。〔2012年9月21日〕
学校・支援団体の解説構造の「学校関連」
単位制高校
4年(あるいは3年)以上かけて、高卒に必要な単位を修得する無学年制の高校が、単位制高校だ。
「定時制または通信制高校の特別なパターン」から出発したけど、いまでは全日制単位制高校もできている。
単位制高校には、通学制の高校と通信制の高校がある。
通信制単位制高校は、あとで説明する通信制高校とほとんど同じ。
ここでは通学制の単位制高校を説明する。
全日制以外の単位制高校は、全国に44校あり、うち6校は私立。
行こうと思っても、近くにない人のほうが多いかもしれない。
東京都立新宿山吹高校の場合、午前部(Ⅰ部)・昼間部(Ⅱ部)・午後部(Ⅲ部)・夜間部(Ⅳ部)に分かれていて、ゆっくり始まる時間帯にはかなり遠くから通っている人もいる。
単位制高校の授業はいわゆる「普通の授業」だけど、どの授業を取るか(必修もあるが)は自分次第。
時間割は、これまで取った単位とか、自分の興味とか必要に合わせて自分で決める(モデルタイプの紹介もあるし、先生方も相談にのってくれるから心配はない)。
単位認定は学期(1年は前期・後期の二学期制)ごとが多い。
そうすると必要単位を年度の前期で取得し終わることもあるので、卒業は9月なんてこともある。
また10月に入学できる学校もある。
部活や同好会はあるけど、普通の高校にあるような「クラス(ホームルーム)」はない。
だから、友達は自分からつくろうとしなければできない。
ただどうしてもウマのあわない人と同じクラスにいるというストレスからは開放されることになる。
クラブ(部)単位でホームルームをつくっている学校もある。
単位制高校のメリットは、いままで取った単位はどこの高校のものでも卒業に必要な単位として認めてくれるってこと。
高校を中退した状態で単位制高校への再入学を考えてる人、在学しながら単位制高校に転・編入を考えている人はこれまで単位をいくつ取っているかが問題で、その結果進級できたかどうかは問題ではないのだから、いま取れる単位は一つでも取っておいたほうが有利だ。
入ってから単位を取る授業が少なくてすむ。
また、単位制高校に正式入学でなく、科目履修生として特定の科目を履修している人は、その後、もしその単位制高校に入学した時、科目履修生として取った単位を履修とみなす制度になっている。
入学定員は、意外と少ない。
東京都立新宿山吹高校の例で見ると、募集は「1学年相当の者(新入生)」と「2学年以上相当の者(転・編入)」が各部・学科とも20名ずつ。
そのため、通学制の単位制高校は入学のための競争率が高い! 修得単位数でどっちに入れるかの問題もあるけれど、競争率を考えると「どっちをねらったほうが有利か」の問題もある。
(1)高校卒業資格の意味(説明)
(2)定時制高校(説明)
(3)単位制高校(説明)
(4)通信制高校(説明)
(5)大検(大学入学資格検定)(説明)
(6)全日制高校(説明)
(7)盲学校・聾学校・養護学校高等部(説明)
(8)外国の学校(説明)
(9)高等専修学校(専修学校高等課程)(説明)
(10)海員学校(説明)