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(2)定時制高校(説明)

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学校・支援団体の解説構造の「学校関連」

「高卒(同等)の種類と取り方」は1996年発行の『定時制・通信制高校と大検の活用』に書いたものです。今日でも有効ですが一部は古くなっています。全体を調べなおすことはできませんのでこのまま転載いたします。〔2012年9月21日〕
定時制高校

①定時制高校ってどんな学校?

定時制高校の多くは公立高校だけど、私立の定時制もある。
定時制は全国に800校以上もある。
どこにあるか知りたい場合は先生に聞いてもいいし、教育委員会へ問い合わせてもいい。
出身中学の先生も高校受験の知識が豊富だから、定時制のことを意外とよく知っていたりする。
公立の場合、学区はないが、「その都道府県に住んでいるか、その都道府県に勤務先がある人」が入れる。
まず、入学できるかどうかの問題だけど、学力的にはほとんど心配はない。
全日制に合格できた人なら十分合格できるし、入ったあとも勉強が苦手でも少人数授業でゆっくり教えてもらえるから安心していい。
定時制というと「夜の学校」のイメージが強いけど、数は少ないけど「昼間の定時制」もある。芸能人が多く通っているので有名な東京都立代々木高校は、午前部・午後部・交代部(A・B)の3部制の定時制高校だ。
学習時間が夜間になる場合、多くの学校では給食を実施している。
定時制高校の生徒は、交通費など学割関係の「特典」も、卒業して得られる(高卒の)資格も、全日制の生徒と同じ。
勤労学生には特別の奨学金も支給されるし、それも卒業すれば返さなくてもいいという制度になっている。
もちろん卒業すれば大学にも専門学校にも進学できる。違うのは、「1日の学習時間が全日制より少ない」「全日制ほど校則がきびしくない」くらいかもしれない。
普通は4年で卒業だけど、通信制との併修(後出)や大剣と組み合わせるなどして3年で卒業できる(3修制という)学校もあり、増えている。
ちょっとユニークなのは「就業指導」。
全日制だと「アルバイト禁止」の学校が多いけど、定時制の場合は逆で「働くことはいいことだ」。
もともとは働く人たちの学習機関が定時制高校発祥の考え方だ。定時制の先生の話によると、「昼間働き、夜学ぶという生活スタイルが確立された生徒のほうが、卒業率が高い」らしい。
昼間働いたら、夜は疲れて勉強どころじゃないんじゃないかと思えるけど、そうじゃないところがおもしろいね。
でも、働けない・働くのがキツイ人を無理やり働かせたりしないので、ご安心を。
では、定時制高校に入る方法を説明しよう。

②中卒または高1未修了の人の場合

受験(再受験)と、転・編入と、選択肢は二つある。新中学卒業生は受験による入学。
中退者で高1の単位をほとんど取れてない人や、取れている単位数の少ない人、取った単位なんてどうでもいい人は再受験。
「高1で1教科落とした」くらいの中退者は、転・編入ができる場合もある。
転・編入については、次の「高2・高3未修了の中退者の場合」で解説する。
ただし、一般には定時制の場合、転・編入よりは再受験のほうが入りやすいと言われている。
再受験の場合は、まだ在籍している人ももうやめちゃった人も、全日制高校と同じような手続きになるが、定時制には1年遅れ(あるいはそれ以上)の年齢の人もたくさんいるので、受験できるかどうかの問い合わせはほとんど不要。
夜間の場合、帰宅時間や交通の便などをよく考えて、通学に無理のない学校を選ぶこと。
定時制はどの学校もほとんど同じ「レベル」なので、「偏差値」的な心配はいらない。
入試日程は、都道府県(私立の場合は各学校)によって違うけど、だいたい公立全日制合格発表の直後に願書受付と入試。
2次募集、3次募集のこともあり、その場合、入試は4月になってから、なんてこともある。

③高2・高3未修了の中退者の場合

基本的には「やめた学年に転・編入」することになる。
だけど、定時制の場合、普通4年で卒業する……ってことは、1年間に修得できる単位数が全日制よりは少ない。
だから、例えば「3年単位がちょっと足りなくてダメだった」という程度の人の場合、一つ上の学年の4年生に入ることもある。
全日制への転・編入の場合と同じように「欠員募集」がある学校をさがすことは必要だけど、その前に、自分はどの学年に転・編入できるかを確認しておこう。
希望する学校が見つかったら、願書を出す前に、通知表や単位修得証明書(前にいた高校で発行してくれる)を持って相談に行こう。
定時制の場合も、新規入学(1年生から入る)よりは「欠員募集」のほうが人数がかなり少ないのは全日制と同じ。
だから、事前の交渉(ってほどおおげさでもないけど)がわりと大切になってくる場合がある。 前にいた学校の先生(できれば校長先生)の紹介を受けて、親と一緒に学校見学を申し込むのがいい(自分で定時制に直接問い合わせてもいいけど)。
そのなかで、自分はどうして定時制に入りたいのかなどを説明して、「やる気がある」ことをわかってもらってから欠員募集に応募するほうが安心だ。
また、多くの定時制高校では、受験のときに面接を実施している。
面接がある定時制なら、「やる気を示す」のはこのときでも遅くはない。
定時制の先生によると、「やる気を確かめるために、きびしい質問をする場合もある」ということだが、実際は「生徒思いのわりといい先生」が多いのが定時制。
おそれなくていい。
やめるつもりだけどまだ全日制にいる人の場合、「4月から定時制に行く」と学校に伝えると、学校で転入の書類手続きを取ってくれたり(転入試験を受けなくていいという意味ではない)、「ある種の優遇措置」を取ってくれたりするから、早めに相談すること。
欠員募集は3月末から4月初めが多い。
各学期始業前後にも募集する場合がある。
全日制在学中で転校を考えている人、学期ごとの単位認定システムがある学校の人は、各学期始業前後の転・編入も考えに入れておくこと。

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