お答え:ゲームをやめさせるのではなく別の関わり方を持ち込むー松田武己
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2017年7月16日 (日) 19:34時点における版
ゲームをやめさせるのではなく別の関わり方を持ち込むー松田武己
〔質問154〕ゲームに集中している人もそれでいいのですか
(4)ゲームに集中している人
本人がしたいこと、やれそうなことを支援するのがよいということでした。
本人がゲームに集中している状態です。
そういう人はいませんか。
〔お答え154〕ゲームをやめさせるのではなく別の関わり方を持ち込む
自宅以外に外出することがない人で、ゲームをしている、ゲームに集中している人はもしかしたらいちばん多いのではないかと思えるほどです。
その状態から違った状態をつくることはなかなか至難のわざです。
①1人の例は、私が定期的に訪問をしていた人です。
自室の専用のパソコンがあったのですが、あるときから訪問をやめるように本人から親に要求がされました。
親が理由を聞くと自室のパソコンが使えなくなっていたのでやる気をなくしたというのです。
パソコンはゲームばかりしていたのではないですが、どうしても欲しかったので親が勧める訪問の継続と交換条件にしたのです。
その後、パソコンが自室にも置かれ、訪問は中断することなく続きました。
1年くらいして訪問が続いた後、中断になりました。
この訪問は親が勧めたもので本人の望んでいたものではなかったようです。
この条件を生かせなかったのは私の実力と工夫不足によるものと思います。
たぶん一緒にゲームができる人、年齢が近い人がいいように思います。
②もう1人の例です。
たぶん平均的には毎日10時間くらいはゲームをしているのではないかと、これは親からの話による推測です。
しばらく前から訪問し、情報センターのサイト制作をしています。
訪問者と一緒に交代で作業をします。
この訪問時間だけ作業をし、それ以外にはしません。
今後はこの状態を、出張オフィスとして、訪問する人が別のパソコンを持ち込み、交代ではなく、並行して作業をすることにしています。
これとは別の主に話しかける取り組みを工夫する訪問者がいます。
この形で本人とつながり、本人の気持ちが動く環境条件をつくろうとしているわけです。
ゲームに集中している人への働きかけは難問です。
私たちにできることは訪問活動し、そこにゲームとはなれ家族以外の人と関わる時間をつくることです。
そのうえでもう一段の工夫がいることを示していますが、具体的な方法はまだ模索中です。
以上は、2013年1月20日に愛知県武豊町での講演とその後に参加者からの質問に答えたことです。
全部で10項目あります。「不登校・引きこもり質問コーナー」に〔質問151〕~〔質問160〕として回答に加えます。
タイトルを他のこのコーナーの他のものと近づけるように変えました。
新しいタイトル名で次のようになります。
*なでしこ会の講演と質疑
(質問151)お答え:子どもがしていることをやめさせるのではなく伸ばすー松田武己
(質問152)お答え:分担して作業し共通の広報等を応援するー松田武己
(質問153)お答え:能力差よりも関心の違いを生かすつもりー松田武己
(質問154)お答え:ゲームをやめさせるのではなく別の関わり方を持ち込むー松田武己
(質問155)お答え:成果を急がず信頼関係をつくるのが出発ー松田武己
(質問156)お答え:個人ができそうなことを始めSOHO共同体をめざすー松田武己
(質問157)お答え:医師との協力は望むが方法はその経過等によりますー松田武己
(質問158)お答え:居場所にくる人の状態を認めそこからの出発が支援ですー松田武己
(質問159)お答え:不登校親の会も少しずつ変化してきていますー松田武己
(質問160)お答え:オーソドックスな活動が波及しやすいのでは?ー松田武己
(質問161)お答え:教育的な方法で引きこもりに対応するー松田武己
(質問162)お答え:居場所は管理的でなく学ぶ機会にするー松田武己
(質問163)お答え:引きこもりが長期化し居場所に行けない人への対応ー松田武己
(質問164)お答え:親の会と子どもの外出の関係ー松田武己
(質問165)お答え:選択的で了解的な訪問の方法ー松田武己
(質問166)お答え:繊細な感覚を持っているが言葉化しづらいー松田武己
(質問167)お答え:当事者の仕事づくりを応援するー松田武己
回答者と所属団体
松田武己・不登校情報センター相談室