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| ==居場所ワークでぼちぼち行こう== | | ==居場所ワークでぼちぼち行こう== |
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− | | + | [[Category:不登校情報センター・五十田猛・論文とエッセイ|30]] |
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− | ひきこりから仕事につける”リクルート活動
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− | 中小企業にはなかなか働く人が集まらず困っているという話を聞きます。
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− | そういう事業者に30代、40代の真面目なタイプな人の募集に成功している実例を紹介します。
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− | 対象者はひきこもりの経験者です。彼らのきもりにフィットとする丁寧な求人方法をお知らせします。
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− | 場合によっては出向いてお話をするつもりです。何しろ対象者は多いです。
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− | その概要を話します。起き聞ください。
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− | 引きこもりの当事者が仕事に就く前にいちばん分かってほしい欲しいものは「引きこもっていたことによるいろいろな結果を平静に受けとめとほしい」ことです。
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− | 仕事についてはわからないことが多いです。何がわからないのかがわからないので事前に聞くこともできません。
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− | 完ぺきでなくてもいいので、事前に分かってほしいことを話します。
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− | 仕事に就いた後、いきなりわからない場面にぶちあたります。そんなとき何もできずに止まったり、うろうろするだけになるかもしれません。
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− | そこで「やる気がない!」と判断して怒鳴らないでください、おとしめないでほしいのです。それが引きこもっていたことを平静に受け止めることです。
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− | そんなときバカにされたり、ダメだしされることがあれば一気にひどく落ち込みます。立ち直れない気がします。
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− | 立ち直るまでに相当な時間が必要になります。そういう予感がしてこれまで動けなかったのです。
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− | これらは履歴書には書きようがありません。長いひきこもり経験があるとはそのように表れるのです。そこを理解してほしいのです。
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− | 昨年来、産業廃棄物業界の現場で働きながら、不登校情報センターにかかわるひきこもり経験者のリクルート活動をつづけるエンジくんの働きかけで、数人が働くようになりました。
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− | それを進めたエンジくんはひきこもり経験があり、知らず知らずのうちに自然に織り込んで働きかけたと思えます。
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− | それをポイントを絞って紹介します。
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− | エンジくんは昨年8月からほぼ毎月「説明会」を開いています。それは仕事現場の様子、会社の状態を話しながら出席者と顔を合わせる場です。
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− | 出席者は1、2名です。働こうという雰囲気が感じられればその場で、次に進む予定を組むこともあります。
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− | が、その前にエンジくんの会社などを簡単に紹介しておきます。従業員は600名を超える産業物の回収・再生をする会社です。中規模のなかでは大きい会社です。
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− | 営業部門、廃棄物の処理工場、運送部などがあり、エンジくんは比較的大きな商業施設での廃棄物の処理を担当し、そこは70人が働いています。
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− | 主力は60代で定年退職をした人たちです。30代、40代の人は若手になり歓迎される対象です。
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− | 産業廃棄物業界は、不況の影響が少なく成長産業というと言い過ぎかもしれませんが経営的には安定しています。
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− | しかも「コンプライアンス順守」を強調する会社で、従業員の雇用保険、社会保険、交通費負担などがちゃんとしています。
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− | 問題は時給が安いこと(最低時給はクリアしています)、週休が少なく、週六日働くときの1日は残業扱いの25%増しの時給です。
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− | 従業員は時間給なので週休2日の要求に積極的だはありません。受け取り給与が減るからです(定年退職者が多いことが関係)。
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− | それにもかかわらずエンジくんに勧められて数名が働き始めました。
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− | 彼らの働きぶりは高く評価されています。真面目に働きます。いい加減であったり横暴ではありません。
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− | それはひきこもり経験者に接する人が感じていることがそのまま仕事場面に表われているのです。
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− | なぜ働くようになったのか。それぞれの事情がありますが、ここではエンジくんの進め方というか、取り組みを紹介します。
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− | 中小企業で働く人が集まらないという事業者には大いに参考になるはずです。
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− | 事業所にはそれぞれ事情があるので、エンジくんの方法がそのまま通用するとは思いません。それぞれが工夫しながら参考にしてください。
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− | エンジくんの方法の説明を簡略にするため3点にまとめます。
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− | (1)説明会の場は求人ではありません。ひきこもりから抜け出したいという相談の場です。
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− | そこで会社の様子、仕事の現場の様子を話します。自分のひきこもり経験も含めて交流の場です。
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− | この説明会の場に来ている人が働くつもりとわかると、その場で上司に連絡を取り面接の予定をします。
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− | これができるのは、どの現場に働く欠員があり(欠員の予定を含む)、その要員として募集を考えられるからです。
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− | 働く現場は20か所あり、欠員があるところ、誰かが辞めそうなことを把握しています。この情報把握は重要な要件です。
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− | そうしてすすめた人員募集なので、会社面接にエンジくんが同席するのは不自然ではありません。
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− | もちろんこれは制度化されているのではなさそうです。
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− | (2)この会社の面接の前なのか後なのかも決まっていませんが、働く現場の下見を一緒にします。
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− | 「ここで働くことになる」と下見をし、一緒に働く人に紹介し、仕事をする環境や様子を実際に見てもらうのです。
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− | これも制度化しているわけではなさそうですが、エンジくんは現場を見て回るのが仕事の一部になっていますし、これらの現場で働く人の上司にあたります。
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− | 仕事内容は難しくはなく重労働でもないので多くが「働けそうだ」という感触をもちます。
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− | (3)仕事に就いた後、エンジくんはこれらの現場を見て回ります。現場は20か所あるのですぐに全部を回れるわけではありません。
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− | 商業施設ですから休日のないところもあり、エンジくんは自分の休日をつかって働き始めた人の様子を見回る活動もしています。
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− | この3点を挙げましたが、ひきこもり経験者には彼に感覚ではそういうフォローが必要であると感じて実行しているのです。
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− | これらはすべて制度化されたものではありませんし、会社の方針ですすめているのでもありません。
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− | それよりエンジくんの社内での職務にこのような社員募集があるかどうか明確ではないのです。
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− | しかし彼の活動は会社にとっても有益であり、初めのうちの黙認から少しずつ期待されつつあるようです。
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− | 求人募集広告よりもはるかに費用が掛からず、真面目なタイプの人が集まります。
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− | [[Category:不登校情報センター・五十田猛・論文とエッセイ|めんたるそうだんしせつ]] | + | |