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アーユルヴェーダの理解(4)
〔2011年4月19日〕
『アーユルヴェーダの知恵』の第4章の4「ハーブの同調作用」
「なぜハーブが心身に効果を及ぼすかというと、薬草やミネラルの持っているその物質固有の振動が人間の細胞に調和の振動を伝えるからだという。
量子物理学の教えるところでは物質は究極的には『場』の振動である。
場がある一定の条件を満たして振動しているときにそれは物質となり、条件を満たさなければ物質は場のなかに戻っていく。
これと同じように私たちの細胞も『場』が複雑に振動を維持している結果として生命活動を続けている。それぞれの細胞は固有の振動を持ち、それを維持することによって生きているのである。
同じことは組織や臓器にもあてはまる。肝臓には肝臓の振動があり、胃には胃の振動があり、肝臓という『場』、胃という『場』を維持している。
物理学ではたがいに影響を与えあうことができる二つ以上の周期現象が密接な関係を持ち始めることを同期という。
たがいの相互作用によって同期を一致させたり、位相を一致させたりするのである。
そこでは一方が他方の振動に同調する現象(引き込み現象)も起こる」(150ページ)
この後すぐにつづく文章は、リズム、調和、波などの人体に関する記述になる。
「このたがいに影響しあう振動はその間に大きな調和する現象を作り出し、人間の生理機能のなかに目に見えるさまざまなリズムを作り出す。
たとえば、脳の神経細胞のある集団は10ヘルツの基本振動を持っており、それは脳波として測定される。
また、心臓の筋細胞は1ヘルツ、一つの個体は睡眠・体温という24時間のリズムを刻み、月経は28日周期…で(150ページ)ある。…
病気とは各臓器、各細胞の固有の振動が失われて周りの振動と不協和音を作り始めた状態である」(151ページ)。
この後半の人体に関するリズムや調和は、物理学的な構造から、生物学的な構造への、しかもこの場合は、太陽の影響が大きく作用している地球生物学における表れと理解できる。
そういう前提の中で、場の作用は個別の規則性や法則性をとっている。
物理的なものが、地球において生物学的なものに移行する(包摂する)のであるが、ここにも何らかの規則性があるものと予測しておきたい。
「細胞のリズムが乱れればDNAから始まる情報の流れもとどこおってしまう。
これはすなわち固有のリズムを失い、自己自身の存在の源であるDNAの情報から遊離してしまった病気の状態である」(151ページ)。
これを回復する方法にハーブがでてくる。
「アーユルヴェーダは自然界にある植物や鉱物のリズムを利用する。
具体的には、胃が悪いときに胃と同じリズムを持った薬草を与える。
すると、薬草の持っている振動に同調することで、胃は忘れていた自分の固有の振動を『思い出す』。
そして胃の細胞の中には失われていた情報の流れが回復するのである」(151ページ)。
仮説を文学的に表現している。たとえば同じリズムであることは証明されるのだろうか。
分子的な細分は免れても、全体のものは検討の対象になる。
リズムと振動が同一に使用されているがこれでいいのか?
鉱物! もまた生物と並んでハーブの中に入っている。
物理的現象から始まるのであれば当然であるが、生物的現象に入っていった時はまた違うのかも。
「リズムの同調はギャップの構造に関係する。
古いリズム(乱れたリズム)が新しいリズム(本来のリズム)に戻るときには、その間に周期の不連続性というギャップが生まれなければならない。
リズムはじょじょには変わらない。変わるときには不連続に飛躍するからである。
そうしたギャップを超えるチャンスを与えるのがハーブなのである」(152ページ)。
物質は質量のある粒子(で構成される)であり、また波である。
しかし日常感覚的には波の作用は無視できる程度に小さい。
ところが物質と物質の関係においては、質量(重力)とともに波の性質がお互いに影響を与えている。
「場」においてはそうなるはず。
その部分は測定できないレベルではあっても同調性を考えるときには無視できない。
この同調がシンクロニシティに関係しはしないか。
波動というのがヒーリングのなかで使われている。
これは物質波と関係するのか。これも調べたいところ。
著者は多くのところに現代医学的な解釈を試みながら、それを超えようとして探求されています。
この本はその参考になるとともに、周辺のテーマへの関心を引き起こしてくれています。
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