カテゴリ:秋田県(地域)
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◆児童虐待 最多184件 昨年 「心理的」5割占める =秋田
2015年に県警が認知した県内の児童虐待の件数は184件と、統計を取り始めた06年10月以降、最も多かったことが28日、分かった。
子供の前で親が配偶者に暴力を振るう「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」や暴言の心理的虐待が87件と全体の5割近くを占めた。
県警少年女性安全課は「社会の関心が高まり、ささいなことでも積極的に通報する人が増えた結果」としている。
対象は18歳未満の子供で、件数の内訳は、面前DVが73件で最多だった。身体的虐待が49件、育児放棄(ネグレクト)が19件と続いた。
また、虐待を受けたとして県警から県内の児童相談所へ通告した子供の数も過去10年で最多の232人だった。
昨年は一つの家庭でもきょうだいで面前DVに遭うケースが多く、14年の126人に比べ、1・8倍に増えた。
刑事事件として摘発したのは3件だった。
県警では増加する児童虐待に対応するため、4月から初めて県内3か所の児童相談所に1人ずつ警察官を出向させ、行政との連携を強化する。
元児相職員で、児童虐待やいじめなど子供の問題に詳しい秋田大教育文化学部・柴田健教授(52)は、児童虐待が社会問題化するにつれ、しつけで子に暴力を振るった親が子のけがの大小にかかわらず、事態を周囲に告白しにくくなっていると指摘。
「これまで児相などの支援により立ち直った親はたくさんいる。その成功談を集め、解決事例のデータベースとして周知することで、虐待の数も減らしていけるのではないか」としている。
〔2016年4月7日・貧困ネット、平成28(2016)年3月29日 読売新聞 東京朝刊〕
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◆<あしたを照らす> 子どもと貧困 全ての子に夢、希望を 秋田市で子どもの貧困フォーラム 県内の実情、支援策探る
国内の子どもの6人に1人が貧困状態にあるとされる中、県内の実情を探り、支援の在り方を考える「子どもの貧困を考える県民フォーラム」(県社会福祉協議会主催)が14日、秋田市の秋田キャッスルホテルで開かれた。
参加者約200人を前に、県内外の福祉、教育関係者ら4人がパネルディスカッションを行い、「全ての子どもが夢や希望を持てる社会を実現すべきだ」「母子家庭の困難は社会全体の課題」などと訴えた。
県教育庁南教育事務所(横手市)の元スクールソーシャルワーカー小田島容子さんは「不登校の背景に貧困の問題があると感じる時がある」と報告。
ひとり親家庭の小学生の姉妹が、体格に合っていない服を着ていたり、入浴をしていなかったりしたケースがあったとし、「親が忙しくて子どもと十分に関われないと、心の成長の妨げになる」と指摘した。
子どもの学習や食のサポートに取り組むNPO法人あきた子どもネット(秋田市)の後藤節子代表は、支援の在り方について「全ての子どもたちが夢や希望を持てるようにすることが大事。学びも食も平等であるべきで、『支援が必要なかわいそうな子』というレッテルを貼ってはいけない」と強調した。
経済的に苦しくなりがちなひとり親家庭を支援する盛岡市のNPO法人インクルいわての山屋理恵理事長は「子育て世代への手薄な社会保障や、男女の賃金格差など、母子家庭が抱える困難には社会全体の課題が凝縮されている」とし、「ひとり親家庭が暮らしやすい社会の実現は、誰にとっても暮らしやすい社会につながる」と語った。
県中央児童相談所(秋田市)の鳥井修班長は「支援しようとしても、親が拒むケースもある。そうした家庭にどうやって関わっていくか悩ましい」と話した。
また、本県を含む東北地方の傾向についてパネリストからは「家庭の内情を明かしたがらない」「親は助けを求めるより自身が頑張らないといけないという意識が強い」といった指摘が相次いだ。
こうした状況下で必要な支援につなげるために、「子どもが足を運びやすい居場所を用意し、関わり続ける中で異変を察知してあげる姿勢が必要ではないか」といった意見が出た。
≪首都大学東京・阿部教授講演/「自己肯定感の欠如問題」≫
県民フォーラムでは子どもの貧困の問題に詳しい首都大学東京の阿部彩教授(貧困・格差論)が、現状と課題について基調講演した。
さまざまなデータを用いて貧困がもたらす影響を説明し、「自己肯定感がむしばまれるのが、日本の子どもの貧困の一番大きな問題点だ」と強調した。
阿部教授は、親の経済状況が子どもに及ぼす影響について▽低学力▽医療機関の受診控え▽栄養不足や肥満▽友人関係の薄さ-など多岐にわたると指摘した。
大阪市の中学2年生を対象に行ったアンケートで、貧困層の4人に1人が「自分は価値がある人間だとは思わない」と答えたとし、「自己肯定は逆境をはねのけるための基礎になる。そこがむしばまれていることは大きな問題」と語った。
また、貧困は低学歴や不登校、非行、親からの虐待などさまざまな問題を生じさせる「リスク」と説明。
「それぞれの問題への対処法は大事だが、貧困自体を減らす対策が必要」とした。
全国各地で広がる学習支援や子ども食堂など民間の活動を評価する一方、「支援の手が届くのは一握りの子にすぎない。
氷山の下にいる子どもたちをサポートするには、国の政策を変える必要がある」と指摘。
「貧困に関する理解を広げるため、多くの人が声を上げてほしい」と呼び掛けた。
〔2016年3月22日・貧困ネット、平成28(2016)年3月15日 秋田魁新報 朝刊〕
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◆ケースワーカー、16年度1人増員 基準下回る山本福祉事務所
県山本福祉事務所で生活保護を担当するケースワーカーの人数が国の基準を下回っている問題で、県は14日までに、新年度から1人増員することを決めた。
これにより「ケースワーカー1人が担当する生活保護世帯は、おおむね65世帯が上限」という国の基準をクリアできる見通し。
同事務所では昨年12月末現在、ケースワーカー4人で320世帯を担当。
1人は再任用職員のため勤務時間が短く、3人がそれぞれ84~99世帯を受け持っている。
県福祉政策課による監査で、2013年度から3年連続で人員不足を指摘され、改善を求められていた。
この問題について、県生活と健康を守る会連合会(鈴木正和会長)が今月4日、「県民の命や安全に関わる問題」などとして、県に対して職員の確保を要請していた。
〔2016年3月22日・貧困ネット、平成28(2016)年3月15日 秋田魁新報 朝刊〕
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