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県内 生活保護1万3807世帯 14年度月平均 「働ける世代」増加
2014年度に県内で生活保護を受けた世帯の月平均数が1万3807世帯に上り、平成に入って最多を更新したことが県のまとめで分かった。
08年のリーマンショック以降、年度ごとの月平均数は右肩上がりで、中でも障害者や傷病者ら以外の働ける世代を含む「その他世帯」の割合が高まっている。
受給世帯の子どもの数も増加傾向にあり、識者は「就労支援や職場の処遇改善に加え、子どもの貧困対策も急務」と訴える。
県福祉保健課によると、本県の月平均数は08年度が1万75世帯だったが、年々増加。
14年度までに3732世帯増え、4割近い伸びとなった。
14年度の受給世帯の内訳を08年度と比べると、65歳以上の高齢者世帯50%、母子世帯5%、障害者世帯11%は変わらなかった。
一方で、傷病者世帯は22%から17%に減少。
15~64歳の働ける世代を含む「その他世帯」が5ポイント上がって17%となった。
同課・保護担当の黒木真一主査は「リーマンショックで雇用情勢は悪化したが、増え幅は年々縮まっている」とした上で「特に『その他世帯』が増えている。
働ける可能性が一番高い世帯が生活保護を受けることになった背景を分析し、就労支援などの対策に力を入れたい」と話す。
生活保護受給世帯の18歳未満の子どもの数も、受給世帯数の伸びに合わせて急増。
14年度は1995人で、08年度に比べ4割近く増えた。
14年度の受給世帯の子どもの進学率を一般世帯と比べると、高校などが14・7ポイント低い83・3%、大学などが41・4ポイント低い25・5%となっており、教育環境への影響が見て取れる。
宮崎大教育学部の盛満弥生講師(教育社会学)は、受給世帯の増加について「『その他世帯』には、働いているのに賃金が最低生活費に満たない人も含まれ、不安定な就労形態も要因の一つ」と指摘。
子どもの貧困問題にも触れ「家庭の経済状況は子どもの教育や学力格差に影響する。
貧困の連鎖を生まないサポートも欠かせない」と対応を求めている。
厚生労働省のまとめでは、14年度の月平均の生活保護受給世帯は全国161万2340世帯(前年度比1・3%増)で、過去最多だった。
〔2016年5月17日・貧困ネット、平成28(2016)年5月5日 宮崎日日新聞 朝刊〕
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