(7)意欲(生命力)を引きだす基本
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− | + | 引きこもりから抜け出す過程の中心は、当人のもつ自然な生命力を発揮させることです。<br> | |
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+ | それは自分の感情を信じ、それを肯定して表現していけるようになる過程を指しています。<br> | ||
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2019年1月1日 (火) 09:38時点における最新版
この論文は『不登校・引きこもり・ニート支援団体ガイド』の序文として書いた「引きこもりからどう抜け出していくのか」です。
(7)意欲(生命力)を引きだす基本
〔2008年5月の掲載にあたり追加した個所です〕
当事者(人間)の意欲を高める方法の中心で基本的なものは、その人の外部から注入するものではなく内部から引き出すものです。
投薬の方法は外部からの注入する方法の一種です。
内部から意欲を高める方法とはまたその人の生命感を高める方法でもあります。
いろいろな言い方ができるでしょうが結局は1つです。
本人を認めることです。
親として不満を感じる、教師としてはもの足りない、カウンセラーとしてはもっと何かを考えたい、自分自身でもこんなことではダメだと思う……。
そういう面は必ずあります。
それは成長には限りがないからそうなのです。
問題はいまです。
いま現在が出発点であり、それから前に進みます。前に進む面に関心が強く傾くと現実を認める点が手薄になります。
周囲の人は支援者も含めて毎日の現実を肯定的に見ていく、誉める、むしろ教えてもらうものを見つけだし、依頼できるほどのものをみつける。
そういう姿勢で現実をみようとしていくと、当人の現実は意外とゆたかであるように思います。
テレビばっかりみている、パソコンだけをする生活、何の役にも立たないことばかりしている……というのは当人のしていることの意味が何もわかっていない言葉です。
毎日の生活のどの部分に光るものがあるのかはすぐにはわかりませんが、よく見る、継続してみるなかで、本人を認めるヒントは得られます。
つまらないものと思っていても当人が離れられないでやっているものにはそれだけのもがあります。
単純に「~中毒」といえないのです。
その離れられないでしているなかに何かを見つけ出し、助言を与えられる周囲の人間の力量が逆に問われます。
その周囲の人間が親であっても、教師であってもカウンセラーであっても支援者であっても同じです。
実は友達というのは、そういうものをいちばんみつけやすい状態にいる人間です。
友達がいないことは、自分のよさを見つけやすい人がいないことを意味しています。
これらの過程は、年齢が低いほど回復しやすいものですが、20代になってもの30代になっても回復可能だと思います。
粘りづよく関わることです。
引きこもりから抜け出す過程の中心は、当人のもつ自然な生命力を発揮させることです。
それをいかに引き出し、伸ばしていくかにかかっています。
それは自分の感情を信じ、それを肯定して表現していけるようになる過程を指しています。
はじめは不自然でぎこちないものでも、いずれは自然な感情表現に近づき、定着していくことになるでしょう。
(1)引きこもりと不登校、ニート
(2)引きこもりのさまざまな原因・理由
(3)五感が敏感な人たち
(4)第六感としての「心の雰囲気がわかる」感性
(5)自己点検で感情を抑制していく
(6)本人の悩み・訴え・症状と対応
(7)意欲(生命力)を引きだす基本
(8)引きこもりからの回復と母親の役割
(9)反発心が自立には必要
(10)親の「あきらめ(?)」と子どもの自由への復帰
(11)親しい友人づくりと同世代復帰
(12)精神的な健康回復が先行