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大人の発達障害

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==大人の発達障害==
 
==大人の発達障害==
'''特集・増える「大人の発達障害」「就労」「家庭」に悩み  医療、相談の対策急務''' <br>
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'''発達凸凹(でこぼこ)~大人の発達障害を考える'''<br>
2005年4月に「発達障害支援法」が施行されて12年。<br>
+
'''露呈(ろてい Rotei)コロナ禍での気付き'''<br>
「学習障害(LD)」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「アスペルガー症候群」など、発達障害に対する一般の理解は急速に広がった。<br>
+
「個性」から困りごとへ…<br>
乳幼児健診による早期発見、小学校での支援体制整備など、発達障害を持つ子どもに関する取り組みも進んでいる。 <br>
+
複雑になる人間関係。<br>
そうした中で近年、クローズアップされているのが「大人の発達障害」だ。<br>
+
混沌とする社会情勢。<br>
障害のタイプによっては、幼児期に明らかな発達の遅れが見られず、成人してから対人関係などで問題を抱え、表面化することは多い。<br>
+
生きづらさの理由を、憂える大人が増えている。<br>
また、発達障害への認知が進む中、就労や家庭生活に悩みを抱える人が、相談機関や医療機関を訪れるケースも急増している。<br>
+
新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業の規模縮小や働き方の激変を招いた。<br>
対策が急務となっている大人の発達障害。<br>
+
コロナ禍による雇用情勢の変化で、若者や中高年の人が困窮する中、生活支援や就労相談の窓口を訪れたことをきっかけに、初めて自身に発達障害がある可能性に気付くケースが相次いでいる。<br>
現状や課題について、相談支援に携わる人たちに話を聞いた。 <br>
+
長年抱いてきた「生きづらさ」の原因を憂(うれ)える大人、そして知る大人が増えているのだ(グラフ1)。<br>
'''◇100人に1~2人''' <br>
+
2004年に制定された「発達障害者支援法」(16年改正)や2007年に本格化した特別支援教育により、先天的な一部脳機能障害としての発達障害への支援が加速した。<br>
厚生労働省の患者調査によると、14年度に診断やカウンセリングなどのため医療機関を受診した発達障害者は19万5000人。<br>
+
裏を返せば、それ以前に学校を卒業していた中高年の人の発達障害が、特にコロナ禍をきっかけに表面化した可能性がある。<br>
支援法が施行された05年度の5万3000人と比べ、大幅に増加している。<br>
+
診断された人数を年代ごとに見ても、相対的に30代以上が少ないのは、これまで公的に見逃されてきた実情を示唆している(表1)。<br>
ただ、発達障害は、知的、身体、精神の各障害者制度と違い、固有の「手帳制度」がないため、医療機関を受診していない場合も含め、発達障害を持つ人が全国にどれだけいるのか、正確な数は分かっていない。<br>
+
なぜ大人になるまで、発達障害が露呈しなかったのか。<br>
発達障害には幾つかのタイプがあるが、生まれつきの特性で、病気ではないという点で共通している。<br>
+
それは、人間関係や生活環境によりカバーされていたからだろう。<br>
代表的なのは、「読み書き、計算などが極端に苦手」というLD、「不注意・集中できない」「多動・多弁」などが特徴のADHD、そして「自閉症スペクトラム障害(ASD)」だ。<br>
+
しかし、家庭や学校では「個性」として容認されてきた「特性(行動や認知の特徴)」も、就職・異動・結婚・出産といった環境の変化を機に、困りごととして顕在化する。<br>
ASDは、「自閉症と連続体(スペクトラム)の障害」の意味で、基本的には「相互的な対人関係の障害」「コミュニケーションの障害」「パターン化した行動、こだわり」など、自閉症と共通した特徴を持つ障害のことを指す。<br>
+
周囲の人や環境との関わりが複雑になる中で症状が徐々に明確になる点も、大人の発達障害が「気付きにくい・気付かれにくい」一つの要因といえる。<br>
症状の強さによって分類され、知的な遅れ、言葉の遅れがないものは、アスペルガー症候群の症名で呼ばれる。<br>
+
得手不得手の差は、誰にでもある。<br>
厚労省によると、最近の報告では「ASDは約100人に1~2人存在する」とされる。<br>
+
しかし、自分の努力では改善が難しく、周囲の配慮が必要な特性ゆえに、その「凸凹」は「障害」として位置付けられている。<br>
しかし、知的能力の高いアスペルガーなどの場合、子どものころは「少し風変わり」というぐらいで、見過ごされやすい。<br>
+
地域全体で、存在を共有し向き合うべき「社会性の障害」として、大人の発達障害を考える<br>
社会に出てから、仕事や家庭生活でコミュニケーションに困難を抱え、問題が表面化することが多いのだ。 <br>
+
〔広報しまだ 2021年11月号〕<br>
'''◇大半が大人''' <br>
+
支援法に基づき、全国の都道府県と政令市に設置されている「発達障害者支援センター」。<br>
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発達障害を持つ人とその家族に対する相談支援、地域の関係機関との連携・調整、地域住民や企業に対する普及啓発・研修などに関する業務を担っている。 <br>
+
東京都発達障害者支援センター(TOSCA)の山崎順子センター長に聞くと、「ここ10年くらいで小学校はかなり変わった」という。<br>
+
支援法施行前は、発達障害を持つ子どもも、特に知的障害を伴わない場合、「法の谷間」に置かれ、支援が行き届かない状況にあった。<br>
+
しかしこの12年で、発達障害に対応した「通級指導」などをはじめ、体制整備が大きく進んだ。<br>
+
同センターでの相談も、03年度は小学生以下に関するものが約半数を占めていたが、15年度は1割程度となっている。<br>
+
乳幼児・児童に関しては、市区町村の支援体制が充実し、同センターで受ける相談件数は減った。<br>
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一方で増え続けているのが、「大人の相談」。<br>
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15年度の相談件数約2600件のうち、約3割が20代で、約2割が30代。<br>
+
18歳以上に関する相談が7割を占めているのが現状だ。<br>
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「学校教育から社会参加というところで、職業生活の定着がうまくいっていない人たちからの相談が多い」と山崎センター長。<br>
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ハローワークなど就労を目的とした相談窓口から、「就労だけではなく、生活支援が必要」として、同センターに来る事例もかなりある。<br>
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センターを訪れる相談者は、いろいろな問題を抱え、「混乱状態」に陥っていることも少なくないそうだ。<br>
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まず、話を聞いて、「本人が困っていること」など状況を整理。<br>
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その上で、「どういうふうにしていくといいか」考えていく。<br>
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相談者の中には、「『仕事ができない』と上司からずっと叱責され、苦労を続けてきた。<br>
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障害者として支援を受けて仕事をしていきたい」と、明確に意思表示するようなケースもあるという。<br>
+
同センターは、本人の意向、希望などを整理した上で、行政窓口や支援機関などにつないでいく。<br>
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ただ、その「つなぎ先」でも、発達障害の特性で、「相手の様子を見ないで、いきなり自分の用件を言う」「自分が困っていることを、苦情のように畳み掛ける」といった状況に陥り、必要事項を伝えられないこともある。<br>
+
センターでは、「まずは一言、あいさつを」などと、「相談の仕方」からアドバイス。<br>
+
職員がつなぎ先に同行し、相談者をサポートすることもあるそうだ。 <br>
+
'''◇人事管理上の相談も''' <br>
+
発達障害を持つ人が、就労に困難を抱える一方で、雇用する側も対応に戸惑っていることは多いという。<br>
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同センターでは、会社に対する相談や研修も実施しているが、企業の人事管理担当者らからの相談も非常に増えている。<br>
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関係者に聞くと、発達障害を持つ人が「極端なこと」を言い、会社側とトラブルになるケースが多い。<br>
+
発達障害には、「自分の頭に浮かんだことを、そのまま口にする」ような特性があることに起因するもので、仮に「裁判所に訴えてやる」と言いだしたとしても、「裁判所」という言葉が、知識として頭にあったから「言っただけ」という可能性も高いそうだ。<br>
+
ここで会社側が「弁護士を立てる」などと感情的になると、対決状態が続き、双方が疲弊することになる。 <br>
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「そういうときには、専門機関が間に立つべきだ」と山崎センター長。<br>
+
障害特性に通じた専門家が、「本人の言いたいこと、考えはこうだ」と企業側に伝え、本人には、「こういう言い方をしたらいい」と教える。<br>
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いわば、「通訳」を介在させることによって、うまくいくこともある。<br>
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さらに、組織の人事管理者らが、個々の障害の特性を把握し、適材適所、適切な配慮をすることで、能力を発揮させることができるケースは多い。<br>
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例えば、障害特性の一つに「知覚過敏」があり、光に過敏で、「光の下だと仕事ができない」という人もいる。<br>
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「蛍光灯からずれたところに机を置く」ということだけで、人材を活用できる。<br>
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同センターは、障害者として雇用されている人に限らず、発達障害で仕事に困難を抱える人全般を「要配慮」として、環境の整備、対応の工夫などを進めるべきだとしている。 <br>
+
'''◇「カサンドラ症候群」''' <br>
+
大人の発達障害をめぐっては、当事者以外の「家族の問題」も指摘されている。最近知られるようになってきたのが「カサンドラ症候群」という言葉。 <br>
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「相手の気持ちや立場を理解することが困難な発達障害を持つ夫と、うまくコミュニケーションができずに苦しみ、妻が身体的、精神的な不調に陥る」ような状況を指す。<br>
+
正式な病名ではなく、明確な診断基準もないが、抑うつ、不眠、パニック障害などの症状が出るとされる。<br>
+
妻・女性パートナーが発達障害で、夫・男性パートナーがカサンドラになる場合もあるが、障害の発生率は男性の方が高いため、女性のケースが多いという。<br>
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横浜市の心理カウンセラー、久遠ナオミさんは、アスペルガー症候群やADHDに関連した夫婦問題を専門としているが、最近はカサンドラ症候群の相談も増えているという。<br>
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電話を含めると年間200件にも上り、深刻なうつ状態などに陥っている相談者も少なくない。<br>
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発達障害のパートナーを持つ人の自助会なども全国で組織されている。<br>
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神奈川県を中心に活動を展開する自助グループ「フルリール」は14年9月、参加者がそれぞれ抱える問題を話し、悩みを共有する場所として設立された。<br>
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現在の会員数は約500人。神奈川から東京、埼玉など関東の都県と仙台市にまで広がっている。<br>
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「障害自体、外から見えにくいし、その家族のことは本当に見えない」と、フルリール代表の真行結子さん。<br>
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例えば、「思ったことをすべて口にする」発達障害の夫が、本人は意図せず、「モラルハラスメント(精神的暴力)」を繰り返すようなケースがある。<br>
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しかし、妻が苦しみを訴えたとしても、夫が「仕事をして、結婚をして」基本的には問題なく生活しているように見える場合、信じてもらえない。<br>
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「誰にも理解されない」と追い詰められ、孤立していくのだという。<br>
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相談機関やカウンセリングでも、「男の人ってみんなそうよ」「あなたがおしゃれをして、優しくすれば変わるわよ」などと言われ、さらに傷つく「二次被害」も多いそうだ。<br>
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久遠さんも、真行さんも、「医師やカウンセラー、弁護士、各種相談窓口担当者らのカサンドラへの理解」の必要性を強調していた。 <br>
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'''◇意識の変化''' <br>
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「乳幼児期から成人期まで、ライフサイクルを通じた支援が必要」との認識で、発達障害の問題に取り組む自治体は増えている。<br>
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TOSCAの山崎センター長に聞くと、東京都内の自治体でもここ3年ぐらいで、「大人の発達障害に取り組むのは当然」という意識に変化しているという。<br>
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ただ、大人の問題で難しいのは、「精神保健、生活保護、障害福祉など、行政のいろいろな課で登場してくる」ところ。<br>
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成人に関する相談が多い自治体では、それぞれ保健福祉行政の歴史、特徴に合わせて、工夫して対応しているが、「結果としてこの課になった」というケースが多いのが実情のようだ。<br>
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成人の発達障害について、生活支援の1次窓口を設置したり、相談体制を整えていたりする自治体はまだまだ少ないという。<br>
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「就労、あるいは生活での『困り事』をまず、どこに聞けばいいか。住民に分かりやすい形で、示すことが必要」と指摘する関係者が多い。<br>
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また、「『発達障害』の観点からの連携」を求める声も切実だ。<br>
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就労、福祉の各種相談窓口、関連部署の職員らが、障害に関する知識を持ち、多面的に適切な支援につなげることが期待されている。 <br>
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〔◆平成29(2017)年4月25日 時事通信 官庁速報〕 <br>
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[[Category:発達障害のニュース|おとなのはったつしょうがい]]
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[[Category:発達障害の関係|おとなのはったつしょうがい]]
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[[Category:広報しまだ|おとなのはったつしょうがい]]

2023年1月31日 (火) 20:12時点における最新版



大人の発達障害

発達凸凹(でこぼこ)~大人の発達障害を考える
露呈(ろてい Rotei)コロナ禍での気付き
「個性」から困りごとへ…
複雑になる人間関係。
混沌とする社会情勢。
生きづらさの理由を、憂える大人が増えている。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業の規模縮小や働き方の激変を招いた。
コロナ禍による雇用情勢の変化で、若者や中高年の人が困窮する中、生活支援や就労相談の窓口を訪れたことをきっかけに、初めて自身に発達障害がある可能性に気付くケースが相次いでいる。
長年抱いてきた「生きづらさ」の原因を憂(うれ)える大人、そして知る大人が増えているのだ(グラフ1)。
2004年に制定された「発達障害者支援法」(16年改正)や2007年に本格化した特別支援教育により、先天的な一部脳機能障害としての発達障害への支援が加速した。
裏を返せば、それ以前に学校を卒業していた中高年の人の発達障害が、特にコロナ禍をきっかけに表面化した可能性がある。
診断された人数を年代ごとに見ても、相対的に30代以上が少ないのは、これまで公的に見逃されてきた実情を示唆している(表1)。
なぜ大人になるまで、発達障害が露呈しなかったのか。
それは、人間関係や生活環境によりカバーされていたからだろう。
しかし、家庭や学校では「個性」として容認されてきた「特性(行動や認知の特徴)」も、就職・異動・結婚・出産といった環境の変化を機に、困りごととして顕在化する。
周囲の人や環境との関わりが複雑になる中で症状が徐々に明確になる点も、大人の発達障害が「気付きにくい・気付かれにくい」一つの要因といえる。
得手不得手の差は、誰にでもある。
しかし、自分の努力では改善が難しく、周囲の配慮が必要な特性ゆえに、その「凸凹」は「障害」として位置付けられている。
地域全体で、存在を共有し向き合うべき「社会性の障害」として、大人の発達障害を考える
〔広報しまだ 2021年11月号〕

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