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Center:(4)「基本的な社交性」

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精神的自立が低位にある人とは人間関係が築きづらい、友人にはなりづらいという体験が読みとれる重みのある言葉です。<br>
 
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[[Category:『引きこもりと暮らす』|2-3-04]]
 
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2019年1月2日 (水) 16:40時点における最新版

(4)「基本的な社交性」

「人間関係を築こうとするには“基本的な社交性”が必要なんです」
ある話し合いの機会に、Sくんが言った言葉です。
精神的自立の程度には幅があります。
低位のレベルで精神的自立に届き、家から出られない状態から抜け出たばかりの人が一方にいます。
他方には短期のアルバイトをくり返すなど社会参加を試みる高位の精神的自立に届いた人もいます。
その精神的自立の低位と高位の間に流れる川に架かる橋、それがこの“基本的な社交性”と位置づけてみることができる気がしました。
AさんとBさんの違いは、この橋を渡る前と渡った後の違いと考えることもできるでしょう。
Sくんの発言をききながら、私が考えていたことは少し別のことでした。
Aさんはこの橋に向かっていくには何が必要なのだろうか、という点です。
技術的には、社交(対人関係)に必要なマナー、常識的なことを身につけることでしょう。
しかし本質的なことはそれとはまた違うでしょう。
人間への信頼感、安心の獲得でしょう。
もっとつきつめれば自分自身が信じられることに向かって何かを感じ、つかむことでしょう。
この道に固定的な特効薬的な方法はありません。
もしかしたら(私の勝手な推測かもしれませんが)意図的に快適さや嬉しさを表現していくことが、その方法(道)の一つかもしれません。
というのは、カウンセラー的な人、親・家族を含めて周囲の人が応援するのは、その人のよさを見つけ、可能な役割を認め、ほめていくことにあると思うからです。
本人が嬉しさを表現していけば、周囲の人は、認めやすく、ほめやすくなります。
もちろんそれで全てうまくいくとは限らず、粘り強さは欠かせませんが…。
Sくんのいう“基本的な社交性”は、当事者の会に参加しているSくんの実感から出た言葉です。
精神的自立が低位にある人とは人間関係が築きづらい、友人にはなりづらいという体験が読みとれる重みのある言葉です。

Center:〔3〕コミュニケーションの場
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