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2019年1月2日 (水) 16:08時点における最新版
(3)広いスペースを生かせない
8月のある水曜日のことだ。
居場所への集まりがまだ少ない午後の1時すぎ。人生模索の会の場である教室にいた私は、眠くなってしまったらしい。
いすを一列に並べ、そこに横になることにした・・・・・・。
ざわざわと、近くで人の話がしている。
「だれかがサポート役になってくれればいいんですよ」
「きみがやったらどうなんだ」
「おれはいやだよ。なんだか悪役を引き受けるみたいで。それより○○さんなんかどうですか」
「うーん、どうかな。専属スタッフみたいな人がいればいいけど、そうすればその人に給料みたいなものがいるから、ここにやってくるのに利用料みたいなものが必要かも・・・・・・」
どうやら、人生模索の会に集まってきた人の何人かが、運営や内容について話をしているみたいだ。
私はしばらく眠ったままの姿で、その話のつづきをきくことにした。
「大塚のときは、部屋が狭い分、五十田さんの目の届くところにいたわけですよ。そこが違うんだよね」
「それがいまは期待できないのかな。部屋がいくつもあって、人もバラバラになっていて目が届かない」
「だからサポート役がほしいけれども、だれでもいいっていうわけじゃないし・・・・・・」
「かと言ってとくにやりたい人がいるわけでもないし・・・・・・か」
「でも○○さんは、ボランティアとかサポート役っていうのは必要ないといってるし」
「△×くんの場合は、ひきこもりの人以外の人でなければ、わからないから、来ないほうがいいって思ってるよ」
「いや△×くんは、そこまで言ってはいないよ。わかる人なら来てほしいとも言っていたよ」
・・・・・・私は眠気がさめて、4~5人のこの話に聞きいっていました。
人生模索の会のこのころの居心地の悪さの重要な点をついている気がした。
しかし、ところでこの会をどうやれば改善できるのか。
容易ではないどころか、どうしたらいいのかさっぱり見当がつかない。
しかも彼ら、彼女らの費用負担なしで、それを実現するわけだ! わからない。
当面手がつけられないところだ。迂回作戦=出来るところから改善する策になる。
スペースが広くなったことは悪条件ではない。
それを生かせないでいること、条件に負けていることがマイナス要因として表われているのだ。
私は行きづまりを感じたとき、一つの方法論がある。
いや何か始めるときの方法論かもしれない。
ヒトは無意識のうちにやっていることがある。
ヒトはあまり自覚しないでいろんなことをしながら生活している。
それを掘りおこし、一つひとつをよく見、性格づけをしてみ、新たな意味づけをすることで、次に進むことができる(場合がある)。
無意識にすでにやっていることは、少なくとも嫌ではない。
嫌でもやっていることは無自覚、無意識ではできないものだ。
無意識にやっているものは嫌でないどころか、もしかしたら興味関心の深いものかもしれない。
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