Job:食品技術者
食品技術者
〔2003年原本〕
食べ物の商品開発者、商品開発技術者です。食べ物は伝統的なものが多く、その一方で次々と新しいタイプのものや改良品が作られています。
食品技術者の仕事は、食品メーカーの経営を左右するほどの役割があり、中小食品メーカーでは社長自らが食品技術者になっていることもあります。大手メーカーでも、重要なポジションについています。
仕事に定形的なものはありません。各地(ときには外国)の食べ物を見たり、試食したり、加工して試作品をつくったり、素材の新しい加工(調理)法や食べ物の新しい組み合わせを研究したり、新商品のネーミングや食器・容器選び、食器づくりの機械を改良したり、取り替えたり、製造工程のラインを直したり……。いったん変えると元に戻すのが難しいこともありますから、軽率なことはできません。メニュー開発を中心にする人にはフードコーディネーターを名乗っている人もいます。
一般的には食べ物についての旺盛な知識、アイデアが豊かなこと、味覚や嗅覚の判断力がすぐれていること、行動力のあることなどが必要ですが、これさえあれば向いているといえるかどうかはわかりません。
食品技術者を希望する人は、食品メーカーに入り、技術部門に所属することです。メーカーに入ってもうまく配属されるかどうかは難しいところです。小さな食品メーカーがヒット商品をつくって、会社自体が大きくなったということも多いのです。大手食品メーカーの食品技術者などが、次々に新製品をつくって売り出していますが、商品として定着するのはごく一部です。
食品技術者になろうとする人は、工業高校、農業高校、大学なら農芸化学科や畜産学科などで専門的に学んだ人がどちらかというと多いようです。
食品メーカーの食品製造者は、機械導入によって徐々に減りつつありますが、食品技術者のほうは(絶対数は少ない)、少しずつ増えてきています。
〔給〕はメーカー所属で初任給は〔並〕です。食品技術者としてヒット企画をつくれば、昇進と結びついて〔高〕に向かいます。