Job:美術スタッフ
美術スタッフ
〔2003年原本〕
テレビ、映画、演劇などのセットや舞台設備をつくる人の総称です。
美術係は、スタジオのセットをデザインする人です。
美術デザイナーとか美術制作といいます。ドラマならば場面は数か所で、それをデザインします。
演劇のばあいは舞台美術といいます。ステージデザイナーを名乗る人もいます。
時代劇ならば時代考証もいりますし、子ども番組で空を飛ぶシーンの特殊撮影シーンのセットなどもあります。
大道具係は、舞台セットの土台や基本的な構造(家屋のセットなど)をつくります。
大道具を作る工場などでセットをつくり、それをスタジオに運んで組み立てていきます。
スタジオにはいちばん早く入り、セットしなくては、次の仕事にかかれませんし、
終わりは、ほかの片づけがすんだいちばん最後になり「待つ仕事」です。
セットづくりは、工場に発注が多いのですが、サイズを直したり、別の番組で使ったセットを
再利用するための修理などで大工工事はつきものです。
重たい道具を動かす力仕事です。
小道具係は番組で使う、テーブル、かさ、新聞、風船など、持ち運ぶことができるようなものを準備する仕事です。
道具を集めること、作ること、終われば保管し再利用できるようにしておくことが仕事です。
持ち道具係は、役者が身につけるアクセサリー、靴、帽子、バッグ、眼鏡などを準備します。
好みに合う、似合う、サイズが合う、時代考証などの要素もあて、役者自身がさがし出してきたり、
自分の使っているものを持ちこむこともあります。
衣装係は、衣装をそろえます。同じ物を何十着もそろえるという特殊なものもあります。
メーカーに発注したり、買ってきたり、自前で作ったり、修理したりする仕事です。
映画などの撮影で、どのシーンの撮影が急に入ってもそれに必要な衣装を準備・整理しておくのは衣装係の仕事です。
小道具、持ち道具、衣装をスタイリストに任せることもあります。
電飾係は、歌番組のスタジオなどに使うイルミネーションの電気点滅する飾り付けなどをセットします。
電気の配線や電圧を計算する電気技術者です。
特殊効果係は、雨や雪を降らせるシーン、草木が風に揺れるシーン、傷口から血が噴き出るシーンなどをつくる係です。
何でもつくらなければならず創造力と柔軟な発想のいる係です。
生け花装飾は、飾り用のものから、その花でなければならないものまであって、必要なら全国各地や、外国からとりよせます。
それでもダメなら造花を作ります(⇒フラワーデザイナー)。
植木係は、セットで使う木を整えるほか、山、川、道路、野原など、大道具に匹敵するセットも作ります(⇒グリーンコーディネーター)。
メイク係はメイクアップアーチストを参照。
いずれもディレクターや映画監督、演出家の指示によります。
脚本を読んで自らイメージをつくり、どういうものにするのか監督や演出家に提案できなくてはなりません。