Job:ピアノ調律師
ピアノ調律師
ピアノの音、響きを最高の状態にしていくために調律、整調、整音の3つが基準です。
ピアノは、鍵盤(けんばん)を指でおすと、その力がハンマーに伝わって弦を弾き音になります。
鍵盤からハンマーまでに60個以上の部分(アクション)があります。
整調は、このアクションの働き、寸法を最良の状態にする作業です。
整音は弦をたたくハンマーの状態を改善する作業です。
ハンマーはフェルトでできており、これが固くなると音も固く、軟らかくなると音も軟らかくなります。
ペーパーでこのフェルトの部分を削り、針で刺して調整します。
この作業を、ピアノにある88の鍵盤1個ずつについて行います。
かなり忍耐のいる仕事です。
調律師は自分で調律したピアノの音が、音楽的にどのくらいきれいなのか、高音はどのくらい高くすればいいのか、などを聴きわける力がいちばん大切です。
この音の程度は計器では測定できないほど微妙なもので、人間の感覚がものをいう仕事です。
体調が悪いときには、この感覚がにぶっていい仕事ができないこともあるようです。
ピアノは1台1台個性のあるもので、この微妙な音の整調作業は1台ごとに違ってきます。
1日にやれるのは通常では2~3台までといわれます。
超多忙で5台くらいやるときもあるそうですが、作業はやや粗くなってしまいます。
依頼主が学校を含むピアノ教師、プロのピアニスト、そして一般のピアノ愛好者です。
ピアニストの演奏会とか録音のときの調律が最優先の仕事になります。
緊張感があっておもしろいときです。
あとは定期的な調律になります。
就業先は楽器制作会社、楽器販売店などです。
調律料金は、グランドピアノ1台で1.5万円以上、アップライトピアノで1台1万円以上となります。
コンサート用は最低2万円以上。
技術を身につけるには、調律科のある音楽大学や音楽学校、楽器製造会社の付属教育機関で学ぶことです。
調律師に弟子入りし修行する道もあるようです。
(社)全国ピアノ技術者協会への加入審査試験として、実務経験5年以上の人を対象に、ピアノ調律師の資格試験があります。
これに合格すれば一人前のピアノ調律師といわれています。
協会加入者は約2000人程度です。