スタイリスト
〔２００３年原本〕
雑誌、ＣＭ、ポスターの撮影のために、またテレビ番組や映画やショーの出演者のために、テーマに合わせて衣装や道具を集めコーディネートする仕事です。
モデルや俳優の着る服、靴、帽子、アクセサリー、バックなどをメーカーや専門店を回って、借りたり買ってきます。
またヘアメイクの形を考えたり、野外撮影時には、セット用の材料をそろえておいたりします。
この集める小物や道具は非常に点数が多く、わずかな撮影でも段ボール２～３箱になります。
車の運転免許は必携品になります。
これらの道具、商品、材料を選ぶセンスと情報収集、そして借用・買い上げ料金の交渉力がスタイリストの実力発揮の場です。
広告に制作者の一員としてスタイリストの名のクレジットが入れば“一人前”というところ。
スタイリストの養成コースが専門学校にできています。
色彩、組み合わせなどを学びますが、自分のセンスとして身につき、磨かなければ役に立たないでしょう。
スタイリスト専門事務所や広告制作会社に入り、先輩スタイリストと組んで、その助手的な活動をしながら、徐々に力をつけていくのが正攻法のスタイリストへの道です。
しかし「甘くはない」といっておきましょう。
月収数万円の小遣銭程度のこともあり得るからです。
①一見、美形の女性、②車の免許、③頭がキレる、④交渉力、⑤非を認める勇気ある人。
ある現役スタイリストが候補者の条件にあげたものです。
実績がつけば、１日５～６万円になる人もいます。
収入の上下差が大きい仕事です。
ほかにファッションモデルからスタイリストになる人もいます。
スタイリストはファッション業界から生まれた仕事ですが、インテリア業界やフード部門の広告などにも広がっています。
フード部門でフードスタイリストという人もいます。
スタイリストの新種の仕事分野としては、広告用でなく個人用のものがあります。
ある特定の個人を対象にして、衣服などの買い物に同行したり、他にある衣服を紹介したり、自宅あるものとの組み合わせや再利用をすすめたりします。
衣服だけでなくて、インテリア用品、家電用品、車のデザインや色彩についても助言します。
この形のスタイリスト事務所も生まれており、料金は１日同行２万円などの時間制でこれが収入です。
美容室やエステティックサロンには、スタイリスト役のコンサルタントを兼ねる美容室を採用し、サービスの充実を図っているところもあります。
