スクリプター
〔2003年原本〕
映画の撮影したフィルムの記録係、映画記録係とか記録さんとよばれます。
日本では松竹以外の映画会社では女性がやっています。
そこでスクリプトガールともよばれてもいます。
撮影現場で、撮影したカットのメモをとり、役者のアクション、衣装をつけた状態、セリフ回しのつながりを
チェックし、撮影の進行を管理します。
カットごとの構図（フレーム）を絵で表すなど、絵心がいります。
映画やテレビドラマの撮影ではタイムキーパー役を兼ねることが多いようです。
映画制作のはじめから参加するのではなくて、台本が決定した後から参加することになります。
撮影開始直前のスタッフの打ち合わせから加わり、映画監督からは演出のねらいなどについて説明を受けておきます。
撮影が始まると、現場で椅子に座って台本をみながら撮影の進行をチェックし、また演出についても参加します。
助監督以上に監督と息が合うことが要求されるくらいで、撮影現場で椅子に座れるのは映画監督と録音技師とスクリプターだけです。
“女帝”とおそれられるゆえんです。
映画の全容を撮影時点で知っている唯一の人物ということもできます。
どの場面にどんな小道具があったか、役者の衣装はどんなものだったかがさっと話せるすごい人もいます。
撮影ずみフィルムはスクリプターのメモと共に編集スタジオに送られ、メモに基づいてフィルムはつながれていきます。
編集作業にも立ち会い、監督のアドバイス役にもなります。
仕事は撮影に合わせるもので、きわめて不規則です。
映画会社所属というより、契約制のフリーで働くことが多いようです。
映画監督とコンビを組んで仕事をしている人も多いし、監督と結婚してしまった人もいます。
この仕事につくのにこれといった道はありません。
映画が好きであること、映画関係の大学や専門学校で学び、実際に映画を製作し、
その後、現役のスクリプターについて現場で学ぶ、というのが多いようです。
