Job:サーチャー
サーチャー
〔2003年原本〕
データベースからの情報の検索者。
もともとの仕事は、企業の研究開発部門で、他社の特許権を侵害することのないように、
また自社の特許権が侵害されるのを防ぐために、特許情報を管理する仕事でした。
今日では、特許以外のさまざまな情報がデータベース化されており、
必要な情報を入手するのには、それぞれのデータベースについて専門的な知識ももつプロが要請され、
それがサーチャーの仕事を生み出しました。
仕事は、企業内外から要請を受けて始まります。
ユーザーは、たとえば、「新規事情としての洗剤の製造・販売をしたいが、
現在の市場規模はどの程度なのか調べたい」という要請を持ち込みます。
それに関連する情報がどこにあるのかコンピュータで探します。
しかしむやみに任意のデータベースを呼び出しても能率が悪く、一般には時間も制約されていますので、
どういう情報をどういうルートで入手するかプランを立てます。
主流はコンピュータのオンラインシステムによる検索ですが、図書館の本や新聞などで調べ確認するマニュアル調査が加わることもあります。
コンピュータは外部のデータベース・サービス機関のコンピュータと電話回線で接続されていますので、
その端末機を操作し、目的の情報を呼び出し、入手します。
それを依頼者の要請に応じた形の報告書にまとめて、提出します。
遅くとも1週間以内という時間的制約があり、大至急のばあいも少なくありません。
企業内研究開発部門のスタッフからの依頼で専門化していったもので、多くは企業に属しています(情報サービス部、検索部など)。
しかし最近はデータベースの検索を専門とする検索代行会社が生まれました。
情報提供サービス業の一つになります。
製薬関係や化学メーカーでサーチャーの需要が多いのは、医薬品開発などでの新技術情報(特許)が大量で、
しかもメーカーにとってその情報のもつ意味が大きいことによるものです。
現役のサーチャーには図書館学として資料照合学(レファランス)を学んだ人がわりあい多いようです。
コンピュータ技術者、コンピュータオペレータから入った人もいます。日本には約2万人はいるといわれています。
しかし、すべてが専任のサーチャーとはいえません。
コンピュータオペレータとしての技能経験や情報についての知識も必要です。
独立した養成機関はほとんどなく、企業内での研修により養成されているのが主です。
(社)情報科学技術協会は1985年からデータベース検索技術者認定試験(1級、2級)、
情報検索基礎能力試験を実施しています。
サーチャーの助手をする人をインフォメーションスタッフというところがあります。
〔問〕(社)情報科学技術協会
〒112-0022 東京都文京区小石川2-5-7
佐々木ビル4F
TEL03-3813-3791
http://www.infosta.or.jp/