Job:グラフィックデザイナー・商業デザイナー
グラフィックデザイナー・商業デザイナー
〔2003年原本〕
グラフィックデザイナー(GD)と商業デザイナーはともに商品の宣伝、販売のためのデザインにかかわる仕事です。
グラフィックデザイナーをアートデザイナー(AD)というところもあります。
広告の媒体(メディア)によって両者を分けることができる一方、商業デザイナーは意味が広くGDは商業デザイナーの一部と考えることもできます。
両者が区別されていないこともあります。
GDには、ポスター、チラシ、新聞や雑誌の広告、商品外装(専門はパッケージデザイナー)、DM、カタログなど印刷物を対象とする商業デザイナーということができます。
GDには住宅販売用のパース図(⇒パースデザイナー)とか自動車の精密な構造図を描くのを特色とする人もいます。
商業用広告には(看板)、POP、店内の陳列(ディスプレイ)、イベントの開催、テレビのコマーシャルなどがあり、先の印刷物のデザインも含めて全体の商業用広告を担当するのが商業デザイナーとなります。
仕事の内容はこれら全般にわたる広告の制作です。
イラストレーター、コピーライター、商業写真家(フォトグラファー)などと協力して行なうもので写真、絵、文字を生かして、商品のイメージ、性能などを印象強く訴えるものにしていきます。
これらのチームの中心となって仕事をすすめる立場の人をアートディレクターということがあります。
ポスター作りを例にすると、大きさ、使用する紙質、キャッチコピーの使い方(字体、大きさ、位置)、商品のおき方、説明文、背景、色彩……などいろいろな要素を組み合わせたり、省略して作っていきます。
いくつかのラフスケッチをつくり、メーカーや販売店側の意見をきき、最良のものを仕上げていくということが多いようです。
モデルや俳優を起用することもあります。
デザイン力とともに対人関係が重要な要素です。意外と地味な仕事です。女性も増えています。
写真専門で合成写真をつくるなどしてデザイナーの手助けをするフォトクリエーターという人もいます。
文字専門の人にはレタリング技能検定の技能資格があります。
就業先は広告代理店の制作部門、メーカーや販売会社の広告宣伝部、商業デザイン会社(デザイン事務所)およびフリーです。
GDは出版会社や印刷会社の制作・宣伝部門でも働いています。
給与所得者のばあい、高収入であるとか特別手当がつくことはあまりありません、〔並〕。
フリーになれる人は、これらの広告関連企業から実力を認められ、恒常的に広告制作の依頼のある人ですが、収入にはかなりの差があります。
美術系の大学、デザイナー養成の専門学校で学び、デザイン事務所や広告制作会社で修業をしたり、有名デザイナーの助手になるというのが一つの方法。
大手の広告代理店に入っても制作部門に配属されるかどうかはなかなか難しいところですが、もちろんねらうこともできます。