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Hito.toco

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ページ名 就労移行支援施設hito.toco  香川県(発達障害の関係・香川県、)
ひきこもり、また歩み出す。
国の調査によると、ひきこもりに悩む人は全国で146万人、これを本県に当てはめると、県内に約1万人いると推定されています。
近年は若者だけでなく、当事者が高齢になるなどして中高年層にも広がっており、「8050問題」も指摘されています。
ひきこもりについて、どのように考え、支えていけばよいのでしょうか。
元ひきこもり当事者らの話から、そのヒントを探ります。
◎ひきこもり
仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6カ月以上自宅にひきこもっている状態
出典:「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(平成22年5月)
■ケース1 近藤慧人(けいと)さんの話
◯自分を伝えられず母親と衝突した日々「なぜ、できない」と自分を責めないで
《活発だった小学校時代》
小さいころは活発な方だったと思います。
友達とよく遊んだし、塾やスポーツ教室にも通っていました。
ただ、朝起きることと、準備をすることが苦手でした。
やがて、この生活を続けるのが苦しくなり、中学で環境が変わったことも重なり、1年の時に不登校になりました。
ひきこもり当初は、学校に行ってほしいと願う母と、よく言い争いになりました。
当時は自分の悩みをうまく伝えることができず、母に怒鳴ってばかりでした。
母も戸惑っていたと思います。その後、母に連れられた病院で発達障害と診断されました。
《自分を取り戻すことが大事》
ほどなくして、母が依頼した、ひきこもり支援団体の支援員さんが家にやってくるようになりました。
支援員さんは親身に寄り添ってくれ、私も徐々に自分の思いを伝えられるようになりました。
母とも会話ができるようになり、二人の関係も改善していきました。
また、長いひきこもり生活の中で、アニメ鑑賞など好きなことに没頭することで、気持ちが落ち着き、自分を取り戻すことができると分かったことも発見でした。
通信制の高校を卒業した後、母から障害者の就労移行支援施設「hito.toco(ヒトトコ)」(広報紙6P参照)を教えてもらいました。
私はパソコンの資格取得や、コミュニケーション力を身に付けるカリキュラムに参加。2年間通った後、今の職場を紹介され、障害者雇用で就職しました。
過去の自分に伝えられることがあるとすれば、「完璧にできなくても、自分を責めないで」と言いたいです。
自分を追い込まず、自分を取り戻すことが大事だと思います。
◯母・安恵さん
《頼れるところ、どんどん頼って》
慧人がひきこもり始めたころ、周囲のプレッシャーもあり、絶望的な気持ちでした。
何とかしなければと思い、見つけたのがひきこもり支援の団体です。
支援員の方に「無理に学校へ行かせる必要はないですよ」と言ってもらい、初めて気持ちが楽になりました。 当初、慧人は家で荒れてしまい、私と話ができる状態ではありませんでした。
でも、支援員の方が間に入ってくれ、慧人は自分の意思を伝えられるようになりました。
「hito.toco」では熱心で効果的な支援もあり、慧人は変わっていきました。
今の職場も温かく迎えていただきました。
「今度、職場の人とボーリングに行く」と聞いて、涙が出るくらいうれしかったです。
私たちはたくさんの人に助けていただきました。
もし、私が何か伝えられることがあるなら「一人で考え込まず、頼れるところにはどんどん頼っていってほしい」。そう強く思います。
〔みんなの県政 THE かがわ 令和6年12月号〕

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