Center:2007年6月ー相談員希望者へ
相談員希望者へ
〔2007年6月25日、この条件は不登校情報センターにおいては2012年5月現在も有効です〕
不登校情報センターは、不登校、引きこもり等の人を支援するために活動をつづけてきました。
1995年の設立時は、個人の任意団体であり、当時から、支援者・支援団体の情報収集と情報提供を重要な活動内容としてきました。
これは私が本の編集者の出身であり、出版社時代からそういう分野の意味が大きいと考えていたことの流れをくむものです。
それから十年以上がすぎました。
一方では支援の取り組みをしながら、他方では支援者・支援団体の情報収集と情報提供をしています。
設立時と基本的なスタンスは同じです。
しかし状況は、客観的にも主体的にも大きく変わりました。
そういうなかで、不登校情報センターのホームページに「相談員募集」を掲げています。
それは相談員という形での支援者ですが、不登校情報センターが求めているという範囲を超えた意味があります。
それはいくつかの背景と理由があります。
センターの相談室で待っているだけでは十分ではない、相談員はそれぞれの地域でそれぞれの特技を生かしたほうがよい、相談員として、不登校や人間を理解することで世の中全体を理解するのに役立つ……などを考えているためです。
そしてホームページを見て、あるいは他の形で知って「相談員になりたいけれどもどうすればいいでしょう」という主旨の問い合わせが何人かからありました。
実際にきていただいてカウンセラーになっていただいている方がいます(しかしその大部分は通所してくるひきこもり経験者の中で談笑し、ときおり個人面談する形になっています)。
訪問サポート活動の一員になっている人、同じく母親サポーターという形でその訪問サポートを横から支援する人がいます。
独立して相談室(カウンセリングルーム)を開設している人には、客員相談員の名称でお願いする人もいます。
その一方で、相談員として応募していただいたままの人もいます。
そういう方には、親の会への出席をすすめたりして、ひきこもり(および不登校)自体の現実に触れていただく機会にしてほしいと考えているからです。
相談員は、クライエントの状態を評価し支援する人ですが、私の理解ではその前にクライエント(候補)から相談員として評価を受け、支援者として合格を得なければ相談員にはなれないと思います。
少なくとも私の相談員としての歴史はそのようなものでした。
私の手元には「相談員募集」にこたえて「履歴書等」を送っていただいた方が何名かいます。
これに十分に応えられない申し訳なさもあります。
そういうなかで私が提案していることは、それぞれの人が単独で相談室を立ち上げて見ませんか、というものです。
はじめから相談室という場はなくてもいいかもしれません。
可能な人が設ければいいでしょう。
私もはじめは自宅を事務所(連絡所?)にし、喫茶店や公共施設の一室を借りて始めました。
今日では何かを始めようとする人にはホームページをつくってそこに掲示することも可能です。
ホームページづくりも、相談室の広報・告知もいろいろな形で可能です。
料金も安くて済むという意味でも可能性は高いです。
そういう面での相談も受けています。
その結果かどうかは判然としませんが、不登校、引きこもりの親の会に関わり、電話相談員として活動を始めた人もいます。
小さな相談会を開いていく方法がいいと思います。
それらの取り組みをするうえで、「不登校情報センター」という名称があると役立つこともあるでしょう。
この名称を最初に利用したのは9年前に19歳になる女性でした。
彼女は「不登校情報センター〇〇支部」を自称し、自分の不登校経験を生かして、母親と一緒に相談活動を始めたのです。
その後、隔月刊の「ニュースレター」を発行し、さらにあるフリースクールで働くようになりました。
これは一つの使用例です。
私は「不登校情報センター」の名称をしようするにあたり、あまり厳密な制約は設けていません。
現在はNPO法人になっていますから、ある程度の条件設定はしますが、深刻なものはなく、ごく普通の取り組みをしていればよいと考えています。
私の考え方とか方法と同一であることを求めているのでもありません。
考え方や方法は一人ひとり独特にならざるをえないのです。
客員相談員という名称を提案していただいたとき、それはグッドアイデアだと思いました。
それぞれの条件に応じて名称の使用、協力関係の実像をつくっていただければいいとおもいます。
〔2007年6月25日〕