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Center:156ー成長と脳内有髄神経と無髄神経

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Center:156―成長と脳内有髄神経と無髄神経

『脳をあやつる分子言語―知能・感情・意欲の根源物質』でノートしておくもう1点は、同じく2章「感情の源泉、広域分布の無髄神経」のところにあります。
これは脳の年齢ととのに成長する記述があることに関連しますが、それ以上に無髄神経と有髄神経の働きを説明している点が重要です。(101ページから)

重要な髄鞘がある進化した神経細胞を有髄神経、髄鞘がない原始的な神経細胞を無髄神経という。
われわれ人間の脳といっても、進化を追って構築され、ホルモン分泌細胞である脳下垂体、無髄神経を主とした脳幹、有髄神経である大脳、小脳という順に構築される。
このとき、最後に構築されるのが、人間の精神を生む大脳である。
成長は進化を追うのに譬えるように、大脳の神経細胞は生まれたとき(新生児)は髄鞘がなく、6~7歳で大半ができ、15~16歳で完成する。
実際、この髄鞘の形成(髄鞘化)に応じて、教育がおこなわれるわけで、その完成年齢に応じて、小、中、高と学校教育がおこなわれている。
そして、もし、幼児、種痘脳炎などのような強い炎症、発熱すれば、髄鞘は形成されず、したがって電気的絶縁ができず、知能が発達しない。
*髄鞘は神経の鞘。ホルモンは人間の体内で細胞が他の細胞に情報を伝える言葉の役をする物質。
こう見ると有髄神経が特別に大事に見えるがそうとはいえない。

無髄神経について:人間の脳で睡眠、覚醒、快感など、人間の脳の根底的活動は無髄神経によっておこなわれる。
精神活動も根源は無髄神経によって駆動され、それが大脳を介して感情となって表出される。(102ページ)。
興味あることは、このような脳内無髄神経が原始的で再生能力が抜群ということである。
一般に神経細胞(特に有髄神経細胞)は分化の極で、人間の場合、生後は細胞分裂しないといわれる。
しかし、動物実験によれば、脳内無髄神経は外的障害に対して、木の芽がふくように、かえってやたらに増えるそうである。(103ページ)
*有髄神経と無髄神経の対比は第4章「知能を作る有髄神経の脳コンピュータ」に詳しい(154~158ページ)。
有髄神経は知能との関係が強いように思えますが、それがよく発揮されるには、無髄神経がよく機能していることが前提になるようです。
例えば乳幼児期の虐待とか情緒的な接触が少ない場合はどのような事態が生まれるかを考え予測してみなくてはならないでしょう。

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