Center:136-反物質の存在に別宇宙の可能性を感じる
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反物質の存在に別宇宙の可能性を感じる
〔2011年6月9日〕
〔『宇宙学入門』日下実男、現代教養文庫、社会思想社、1967年を読む〕。
高校生向けの教養書のように思える。書かれた時代が古いことも関係して、余り刺激的なところは見当たらない。
興味が出たのは、1908年のツングースの隕石に関するところ(120~126ページ)と1958年11月に月のアルフォンズス凹孔の中央火口丘が噴火したというところ(137~138ページ)。
しかし、それに触発されて-何かをイメージできるものはなかった。
M87星雲――「銀河や、太陽や私たちは、すべて物質から出来ている。この物質をつくるものは電子、陽子、中性子という三つの基本的な粒子である。ところが近年この地球上で、陽電子、反陽子、反中性子という、全くアベコベの粒子が次々と発見された。
この事実は、私たちを途方もない空想に駆りたてずにはおかない。それは大宇宙のどこかには、これら三つの反粒子で構成された、私たちとはまるでアベコベの世界がありはしないかということだ」(197ページ)。
素粒子論はまだ出ていなかったのかもしれないが、三つの基本的な粒子とその反対物の存在は、別宇宙の可能性を開いた。
しかし、両者が同一量でなかったので、現宇宙は生まれたとの説明を読んだ記憶がある。
そうだとしても別宇宙の存在は否定されたことにはならない。
真空とは電子と陽電子がつりあっているという説明は、真空が現宇宙と別宇宙の接点を持つことを肯定してはいないか。
自然界の物理定数が――もちろん全部の物理定数ではなくてもいいが――いまと違えば、別宇宙を想定できるかもしれない点と並んで、ここはやや興味を引く。
おそらくその後の発見と研究で、この点はさらにすすんでいるものと思う。