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Center:121-科学的な証明と近接領域への関心

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科学的な証明と近接領域の関心

〔2011年4月11日掲載〕

『大陸は移動するー移動説から新しい地球科学へ』(アーサー・クライン(著)・竹内均(訳)、講談社ブルーバックス、1973)。
Oceans And Continents In Motion, An Introduction To Continental Drift And Global Tectonics、H.Arthur Klein,1972.
この本からは2つの示唆をうけました。

(1)科学における証明のしかた

理科的な実験においては、同一条件において因果関係(原因⇒結果)を繰り返して得られることが要求されます。
しかし、1回しかないもの、理科的な実験ができない自然現象の原因⇒結果をどのように証明するのでしょうか。大陸移動説はそこに挑んでいきました。
ウェゲナー(Alfred L. Wegener 1880-1930)は、測地学、地球物理学、地質学、古生物学による証拠を集めたが、その説は広くは受け入れられず、特に戦後から1960年代までは否定的に見られていた。
彼の死んだ後、1960年代に入り、岩石に残されている残留磁気の研究から、地球の地磁気の研究がすすみこの面から大陸の移動が説明されていった。

「経度が4億年間にわたって30度異なり、2億年前から6千万年前までの間にその違いが消えてゼロになる、という事情を説明できるものはなにか。北アメリカがヨーロッパから離れて――移動して――いって、その1億4千万年間に30度隔たったとすれば、二つの離れた軌跡を一致させることができる。それ以外にはない。
この場合、岩石調査の結果は、極移動だけでも、大陸移動だけでも説明することができない。二つの移動を結びつけてはじめて、その記録をよく説明することができるのである!」(159ページ)。

後にこれはプレートテクトニクス理論に成長していくものです。
繰り返し同一条件で実験できないものも、異なる二つ以上の合理的な説明ができるならば、事実を科学的に証明したといえるのではないか。これが第一の点です。

(2)“シンクロニシティ”の周辺

ウェゲナーは、大陸移動説を狭い範囲での証明に限定して取り組みませんでした。
彼自身は完成を見ることはできなかったが、常に関係する分野に目をむけ、その移動説の理解に関してはいろいろな分野の研究に開放する姿勢を持っていました。

同様に“シンクロニシティ”は、それが自然科学的な分野に入るにしてもその範囲外にあるにしても、また存在論、認識論という分野にあるとしても、開放的にいろいろな分野からアプローチすべきものと思います。
いつか体系的に理解されるときには名称さえも違ってくるかもしれません。
いまのところ自然科学が中心ではなく、社会科学、人文科学、あるいは精神科学という分野にあり、多方面の材料が互いに得体の知れないつながりを持っているように思います。
それらのいくつかを見つめていくと、“シンクロニシティ”を解明するときの助けになるのかもしれません。
私が関心を持つのはウェゲナーほどにはわかっていないこの“シンクロニシティ”問題になるはずです。

それに関係するのは、たとえば人間の動物性または動物との共通性、理性が優れている人には見づらくなっている分野(子どもに顕著に見られる反応)であり、これはほとんど=感覚の鋭敏な人が感知できる分野かもしれません。
スピリチュアルと称されるもののある部分や言語化しづらい技術・芸術などです。
こういうものは何かの共通しているある塊から出てきているように感じられます。

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