鯖江市役所JK課
鯖江市役所JK課
所在地 | 福井県鯖江市 |
---|---|
TEL | |
FAX |
【公務員のおしごと大研究】女子高生が活躍!? 「鯖江市役所JK課」とは?
お話を伺った高橋藤憲さん
【高橋藤憲さんPROFILE】日本福祉大学経済学部経済学科卒業。1992年、鯖江市役所に入庁。
税務課、政策推進課などを経て、市民まちづくり課の前身、市民協働課に配属。
市民主役のまちづくり業務を担当。現在、市民まちづくり課参事。
福井県の鯖江市役所には「JK 課」というユニークなプロジェクトチームがある。
JK課を担当する高橋藤憲(ふじのり)さんに、公務員の仕事内容や求められる人材について語ってもらった。
お堅い市役所と一番遠い女子高生を巻き込むまちづくり
鯖江市役所には私が担当する、その名も「鯖江市役所JK課(以下JK課)」というプロジェクトがあります。
JKは皆さんがよく知る「女子高生」の略称で、構想を発表した当時は批判の声もありました。
けれど、活動を始めて5年目。これまでに150団体2000人以上の方が視察に訪れ、国内外で評価を受け、今年度は6高校(高専含む)43名でスタートしました。
鯖江市では、2010年4月1日に「市民主役のまちづくり」を掲げた市民主役条例が施行されました。
とはいえ、すでに大人はまちづくりに参加。
では、まちづくりに参加していないのは誰か? 若い人たちだったんですね。
そうした中、地元NPO法人が開催した「おとな版地域活性化プランコンテスト」で、「若い世代の代表格JKを巻き込めば、まわりも巻き込める」という若新雄純(わかしんゆうじゅん)さん(慶應義塾大学特任准教授)の「JK課プロジェクト」が採用されたのが始まりです。
スタートアップ記者会見&めがね贈呈式
女子高生と企業や市民をつないでアイディアを具現化
それまでは、「提案型市民主役事業」など、市役所の事業を委託できる市民団体等を募集し、審査に至るまでの事務手続きのサポートを行ったり、市内の自治会に分配する補助金や市自治会連合会会長会の開催など市民団体や自治会の方への対応が私の仕事でした。ところが突然、JK課を任されたのです。最初はとまどいましたが、始めてみると、女子高生の視点もとてもいいじゃないかと思いました。
例えば、図書館の空席状況が知りたいというメンバーがいて、地元企業の協力で空席状況を確認できるアプリを作りました※。
また、「市のゴミ袋はいけてない!」と、かわいいゴミ袋の製作を提案したり、ゴミ拾いをハロウィンに開催し、仮装して参加を呼びかけたりしています。
これが、ゴミ拾いを楽しいものにするための「ピカピカプラン」で、毎回100人近い市民が参加しています。
彼女たちの成長は著しく、「他人事」だったまちづくりが「自分事」へと変化し、JK課を卒業しても、男子高生や社会人と一緒に新たなプロジェクトに挑戦しています。
まさに、市が推進する「市民主役のまちづくり」につながっていったのです。
私の仕事は、彼女たちの発想を、企業や大人の市民につなげて具現化するためのサポートをすることです。
一番苦労したのは、女子高生に、ああしろこうしろと絶対に言わないように心がけたこと。
「自分で気づくことが大事」という意図でした。
挨拶だけは指導したかったのですが、それもやめました。
我慢した結果、一人が気づいて挨拶をすると周りもするように。
彼女たちを信じて任せることもまた、私の仕事なのだと気づくことができました。
※現在は新しいものを模索中のため非稼働
【中部限定】JK課×ローソンの共同開発商品
仕事を楽しめば市民も集まってくれる
私たち公務員は、市民のために働くのが仕事です。
ルーチンワークや手間のかかる仕事もありますが、イヤイヤやっていても何も始まりません。
まずは私たちが仕事を楽しいと思うことで、よりよいまちづくりができるのだと思います。
それは、JK課の活動を通じて学んだことです。
高校生の皆さんには「自分たちが動けば大人も変わる」ということを知ってほしいと思います。
同時に、「動かなければ何も変わらない」ということも。
皆さんの意見を否定する大人もいるでしょうけど、認めてくれる大人も必ずいます。
一歩動き出す勇気をもってほしいですね。
公務員の仕事とは?
主役は常に市民一人ひとり。公務員は裏方に徹して市民が笑顔で輝けるようにサポートするのが仕事です。
でも、自分の仕事に楽しさを見出すことができるともっとポジティブに仕事ができます。
公務員になりたい人には、人のために動くことが楽しいと思ってほしい。
常に「まちづくり」に対するアンテナを張って、大学生になったら、自治体でインターンシップを経験するのもよいでしょう。
【鯖江市役所JK課の今後の活動】
①ピカピカプラン12…現在、2018年7月16日(月・祝)のゴミ拾い参加者を募集中。
申し込みは市民まちづくり課(Tel:0778-53-2215)まで。
②福井国体に向けて、パティシエの協力でJK課オリジナルスイーツを開発中。
2018年9月に完成予定。
〔◆平成30(2018)年2018.07.12 高校生新聞ONLINE〕