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通信制高校の現状認識とチェック体制について

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通信制高校の現状認識とチェック体制について

ある新聞記者へのメモ(試案)

(1)新しいタイプの通信制高校が生まれた背景と内容
通信制サポート校は、不登校中学生と高校中退生の学習と成長のための教育機関として自然に生まれました。
高校進学率が95%程度の事実上、高校全入が実現している状態で不登校や高校中退が増加したのです。
しかし、学業成績だけではなく対人関係とその背後の理由も不登校や高校中退の原因になっている点も見過ごせません。
通信制サポート校は成長の過程で創造的な工夫が生かされ、整備・体系化され、過去20年間に急速に広がりました。
その広がる過程で逸脱現象がいろいろな形で生まれました。
この逸脱現象を教育行政は見逃してきました。
理由はその逸脱以上に不登校と高校中退生への効果的な対応策がなかったことも原因です(大目に見るような感じ)。
通信制サポート校で生まれた内容は、通信制高校にもちこまれ新しいタイプの通信制高校が生まれました。
従来型の私立通信制高校にはこれだけの成長の時期であるにもかかわらず撤退をしたところもあります。様変わりです。
公立通信制高校の状態はさまざまですが徐々に新しい動きが浸透しています。
新しいタイプの通信制高校は対応幅が広いと言えます。
その一つが「規制緩和された全日制高校」の面です。週5日制の登校可能制(選択制)はそれです。
*公立高校の昼間定時制高校の設立や大検から高卒認定への変更も別の面での不登校と高校中退生への対応です。
新しいタイプの通信制高校、というよりは通信制サポート校は、フリースクール(不登校生を受け入れている学習塾)の生き残り策にも貢献しています。
新しいタイプの通信制高校は、教育内容においても従来型の教育課程(カリキュラム)を大きく変えるのに貢献しています。
それは生徒の興味・関心を生かす点が不可欠であり、スポーツ、芸術・芸能、ファッションなどを正規の学習内容として意欲的に取り入れています。
これは生徒中心の教育課程でないと、対応できない状態が強まったことに関係しています。
不登校と高校中退生への対応の手ごわさに応えているのです。

(2)教育特区制と広域通信制高校
特区制度の全体についてはわかりません。
高校教育については特区対象の市町村教育委員会では対応しません(小学校・中学校が対象)。
市立高校がある一般市では特区制の高校はつくられていません。
高校教育に関与するのは都道府県教育委員会と政令指定都市(市立高校がある)教育委員会です。
特区制高校を内容把握したうえで関与できる自治体はなく抜け穴になっています。
広域通信制高校の学習センター(~キャンパス、~校などを呼称する)に関しては、本校が指導関与する立場にあります。
ここでは特区(自治体)と本校の間、本校と学習センターの間(特にサポート校の経営体が異なるとき)の二重の意味で抜け穴ができています。
この抜け穴は、従来型の教育の方法(教育行政と教育内容の両方)で何とかなるとは思えません。
不登校と高校中退生への対応できる方式を探求しながら関与指導すべきものにならざるを得ないからです。
その困難性はありますが、今回問題(ウィッツ青山学園高校の事件)になったレベルのことは従来型でも可能です。
しかしそれが新型の通信制高校の全体に“君臨する”事態は、時代遅れになると感じます。
教育委員会、または知事部局(私立高校の担当部局)ではなく、第三者的なチェック機関にする必要があると思います。
このようなチェック機関は本校だけではなく、学習センター単位に置くのが正当です(ここが難しい)。
それはその学校と学習センターの上に立つものではなく、生徒の成長を図る協力関係的なものになるのが理想的であると思います。
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