訪問活動の実績を件数から評価されていると感じたTnくん
訪問活動の実績を件数から評価されていると感じたTnくん
ひきこもり最中のTnくんからSOSの電話がありました。この中で飛び出した逸話を紹介します。
Tnくんは行政から委託を受けたある福祉団体からときどき訪問を受けています。
この日もその訪問予定の日だったのですが、昼過ぎに担当者が顔をのぞかせて「急用ができたので今日は取り消し、次回は2週間後になります」と言って帰ったそうです。
Tnくんは「これを話そう」と待ち構えていたのですが立ち消えになり、イライラして私の方に電話を回してきたのです。…
この様子をやり取りするうちにTnくんから2つの疑問が出てきました。
①担当者は取り消しをなぜ携帯電話で連絡をして来なかったのか――番号を伝えているに携帯を使わなかった理由は信じられないものでした。
②もう1つの疑問は、この日はとりわけ短い“訪問”だったのですが、いつもの訪問も15分から20分ぐらいで、どういう目的で訪問しているのかよくわからない――。
この疑問から合理的に出てくる1つの“解”は「訪問件数が実績になる」というものです。
短時間の取り消し連絡も訪問件数にカウントされていると感じたのです。
感性の鋭さと経験から推測できる答えです。
行政はこの福祉団体の取り組みを件数により把握しているレベル、と理解できます。
この状況を評価するには多くの面に触れなくてはなりません。
訪問活動は(件数ではなくて)内容から評価しなくてはなりませんが、これを本格的にできるような訪問活動は、特にひきこもりへの訪問活動はかなりのレベルの高い活動との交流がないと意味がつかめないと思います。
私は件数による実績評価を認めないのではありません。形骸化させてはならないのです。
しかし、現在の全般的な訪問活動のレベルはまだ低調であり、経験交流などを通してレベルアップを図らなくてはなりません。
私なりの予測では信頼関係と傾聴力が大事になると思います。
また訪問時間が短くなるのがすべて否定的に考えられるわけではありません。
少なくとも訪問先の相手の状況により時間の長さの良しあしは判断するのであって(ストレスの程度が強い、体調からみて離れた方がいい)、訪問者側の事情によらないことです。
多くの面を書いていく必要は感じますが、以前に書いてきたものもあります。
下に代表的なものを紹介します。
この日のテーマ「件数」に関することはこれからも考え発表します。
〔ひきこもり生活者への訪問活動〕(①~④)