薩摩川内市ひとみらい政策課
薩摩川内市ひとみらい政策課
男女共同参画情報コーナー わたしたちの望む社会へ「とらいあんぐる」
■見ようとしなければ見えないもの~女性の貧困問題から考える~
近年、女性の貧困問題が男女共同参画の視点からも問題視されています。
事例として、若者の引きこもりが長期化し、その親が高齢となり収入や介護の問題が発生することで、親子が社会から孤立する「8050問題(*)」があります。
- 一般的に80代の親と50代の子の親子関係の問題であることからこう呼ばれる。
今年の3月、内閣府が40歳から64歳までの方を対象に行った「生活状況に関する調査」の中で、引きこもりが全国に約61万人いて、その中の約8割が男性、約2割が女性という結果を公表しました。
女性の貧困問題は、社会の表面上に表れにくく、長期にわたりその存在は不可視化されてきました。
今回のとらいあんぐるでは、一人一人の人権として「見ようとしなければ、見えないもの」があるのではと考え、この問題について市女性チャレンジ委員会アドバイザーでもあり、男女共同参画政策分野で活躍されている「たもつゆかり氏」にお話を伺いました。
Q 8050問題や引きこもりの問題について、どうお考えですか
8050問題は、福祉の現場から問題視されるようになりました。
この問題を、男女共同参画の視点「一人一人の人権」として考えると「高齢者の女性の貧困」という問題につながってくる場合があると思います。
Q 「女性の貧困問題」とは具体的にどのようなことなのでしょうか。
現在の中高年の方々が若い頃は、女性は家庭に入り家事や子育てを行うことが当たり前といった考えがあり、また、就職氷河期で、特に女性が正規雇用として就職できない時代でした。
そのため、「非正規雇用」が常態化している女性が多く、親と同居で経済的支援を受けていたり、無職で「家事手伝い」として生活をしている場合があります。
親の支援を受けていれば、基本的な生活はできますが、親が高齢になることで介護が必要となったり、親が亡くなり年金収入が途絶え貧困状態に直面してしまう可能性もあります。
これが、見ようとしなければ見えない「女性の貧困問題」です。
家事手伝いとして、家に居る女性をひとくくりにすることで、問題視されていない場合はないか。
引きこもりの女性の割合は男性に比べ少数ではあるが数字には見えない課題があるのではないか。
生きづらさを抱えて生活をされている方に、どのようなまなざしを私たちは向けていくことができるのか。皆さんも一緒に考えていきましょう。
(参考) 内閣府「H30年度生活状況に関する調査」(対象:40〜64歳) 引きこもり者に関するデータ
問合先:本庁ひとみらい政策課 ひとみらい政策グループ(内線4741)
〔広報薩摩川内 第362号 11月通常版〕