職業訓練施設の種類
学校・支援団体の解説構造の「学校関連」
職業訓練施設の種類(1991年)
〔『全国仕事の学校ガイド』 高校出版、『月刊高校生』1991年11月特別編集号に掲載。
掲載は2011年8月につき、この期間に制度として、実態として変更があるのかもしれません。
具体的に関わるときは現状を確かめてください〕
職業訓練校――あるいは職業能力開発施設――は、設置者の違いにより、(1)公共職業訓練校と(2)認定職業訓練校に分けられます。
(1)公共職業訓練校
公共職業訓練校には次の5種類があります。
1 職業訓練校
都道府県および市町村が設置しています。
市町村と言っても実際に設置しているのは、横浜市と埼玉県川口市の二市だけです。
訓練校の名称として使われているのを見ると、技術専門校、(高等)職業訓練校、産業技術専門学院、高等産業技術学校、高等技術専門校、
高等技術専門学院、高等技能学校、高等技能(開発)専門校、高等職業技術(専門)校、職業能力開発センターとなっていて、
名称だけでは専修学校や各種学校、ほかの職業訓練校との区別はつきません。
訓練内容は、〔普通訓練課程〕(中卒者と高卒者)、〔向上訓練課程〕があります。
ほとんどが4月(および10月)の入学に限られています。
近年、高校中途退学者を受け入れるため、入学時期を特に定めない〔技能者育成特別訓練課程〕を設けている県立職業訓練施設があります。
この訓練内容=課程については後述します。
2 職業訓練短期大学校
雇用促進事業団(労働省の外郭団体)が設置しています。
全国に23校あり、名称には必ず短期大学校がつきます。
短期大学校というのは学校教育法の短期大学(文部省所轄)以外で教育内容などが短期大学に相当する教育機関を指します。
一般には短期大学卒業者と同程度の学歴とみなされていますが、大学2・3年生への編入はないようです。
訓練内容は〔専門訓練課程〕(高卒者)があります。
なお後述の私立の認定職業訓練校でも短期大学校の名称を用いているところがあります。
3 技能開発センター
雇用促進事業団が設置しています。
名称は技能開発センターしかありません。
離職者や転職者向けの〔能力再開発訓練課程〕と現職労働者の〔向上訓練課程〕があります。
しかし、一部の技術開発センターには中卒者、高卒者を対象とする〔普通訓練課程〕もあります。
4 身体障害者職業訓練校
身体障害者を対象とする国公立の職業訓練施設です。
国立で実際の運営を都道府県や身体障害者雇用促進協会に委託しているところが13校。
労働省の認定を得て都道府県が設置・運営しているところが6校。
合計19校あります。
5 職業訓練大学校
一般の職業訓練校ではなく、職業訓練所の指導員を養成するためのものです。
雇用促進事業団設立ですが、文部省所轄の大学ではありませんので大学校となります。
卒業生は、各種国家試験受験では大学卒業相当とみなされる一方、職業訓練指導員の免許資格を得ます。
(2)認定職業訓練校
民間の事業所の職業訓練校が、労働省の訓練基準を満たし、都道府県に申請し認定を受けた場合を認定職業訓練校――
ー般的には事業所内職業訓練校――と言います。
大きく分けて2種類あります。
事業者が単独で行うところと、地域内の同業者が共同で行うところ(共同職業訓練)があります。
本書では単独のところを私(=私立)、共同を団(=団体立)と表示しています。
なお団体の場合、職業訓練を実施する主体として職業訓練法人を設立することができ、運営の経費、税制面での奨励制度ができています。
本書ではこの法人を(訓)で表示しています。
認定職業訓練校の学生は、その事業所および団体に加入する事業所に所属している人に限られます。
その事業所で働く人が技術・技能を身につけるための訓練だからです。
数百人から千人の事業主のいる団体職業訓練校では、訓練校の事業所からの独立性は相対的に高く、事業所の一部とは言えず、
公共的な役割や性格も持っているところもあります。
職人養成的性格の強い、例えば、建設業の道を選ぼうとする人には、この事業所所属は長期的には問題にならないでしょう。
それらへの事情を個別に調べることも活用法としては大事なところです。
名称には、高等職業訓練校が多く使われています。
しかし、これまた数多くの名称があります。
(高等)技術訓練校、高等技術学校、高等技術専門校、高等専門校、(高等技能)専門学院、技能専修校、技能学院、高等産業技術学校、
職業訓練校、技術学校、学校、学院、職業学校、専門校、訓練学校、研修所、研修センター、職業訓練センター、技術開発センター、
トレーニングスクール、スクール、カレッジ、アカデミー……そして職業訓練大学校も。
このうちアンダーラインをつけた職業訓練校、技術開発センター、職業訓練短期大学校は施設・内容などについて労働省の基準を満たしたところです。
また専門学校のつくところもあります(新設には専門学校の名称の使用は認められていません)。
訓練内容は〔普通訓練課程〕、〔専門訓練課程〕、〔能力再開発訓練課程〕です。
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