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平成30年度「心の輪を広げる体験作文」

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平成30年度「心の輪を広げる体験作文

「障害は個性のひとつ」…内閣府「体験作文」 優秀賞に名張高校定時制3年の小辻さん
県立名張高校定時制3年生の小辻英里加さん(25)=名張市在住=が、内閣府主催の平成30年度「心の輪を広げる体験作文」で優秀賞(内閣府特命担当大臣賞)を受賞した。
軽度の知的障害を持つ自身の生い立ちから「障害は個性のひとつ。どんな人でも1人の人間として見てほしい」と偏見や差別のない社会を求める思いをつづっている。
小辻さんは、幼い頃から周りとのコミュニケーションが取りづらく、小中学校では不登校に。
中学2年で軽度の知的障害と診断を受け、就職後は「障害者は生きている価値がない」などと心ない言葉を受けた。
「私が伝えたいこと」と題した作文では、その経験や障害を持つ10歳違いの弟とのエピソードを原稿用紙6枚にまとめた。
弟を保育園へ迎えに行っていじめられている姿を見たとき、それまで自分より重い障害を抱えている弟を嫌っていたが、思わず「私が守らなければ」との気持ちがあふれ、「大事な弟をいじめるな」とかばった。
弟の笑顔を見て、弟への愛情に気付いたという。
障害はハンディだが、健常者でも得意、不得意はあると指摘。
障害ではなく「個性」として認識してと訴えている。
また、障害があることで人の痛みやつらさが分かり、周囲に嫌な思いをさせないと心に誓うようになったと、自身の心の変化も素直な言葉で表現した。
文章を書くのは得意ではないが、「体験なら書けそう」と高校の自由課題として取り組んだ。
高校生部門には全国から532作品が寄せられ、最優秀賞(1人)に次ぐ優秀賞(3人)に選ばれた。
「表彰されたことなんてないから、いまだに信じられません」と朗らかに話す小辻さん。
将来は「保育士として児童養護施設などで子供たちの助けになりたい」と、名張市の施設でボランティアをしながら夢に向かって努力している。
〔2018年12/14(金) 産経新聞〕

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