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孤独死をさける包括的体制の内容

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孤独死をさける包括的体制の内容

2024年8月
8月3日(土)「かつしか進路フェア2024」が都立南葛飾高校で開かれました。参加高校は97校(資料参加のみが数校)。
フェア参加者は葛飾区立の中学3年生と父母が中心ですが、他区からもやってきた人はいるようで、2000人は下らないでしょう。
私は全体の相談コーナーに「子ども若者応援ネットワーク」の一員として参加です。しかし主たる目的は別にあり、ここではそれを話します。
参加校のうち不登校生の受入れが多いと思える7~8校の相談担当者と話しました。一般相談者が途切れる隙間を利用したものです。各校の様子を知る意見交換です。
「各校は不登校だった入学生に対してどのように対応しているのか」が私の関心の中心です。実際にはその枠からはみ出していろいろな状況を聞くことができました。
全日制のある高校は、入学生の過半が不登校の経験者です。
ある通信制高校は不登校経験者が入学の多数を占めることを前提(?)として、週1日から週5日までのコースを設定し、コースを移動できるようにしています。
生徒本人の関心の強いゲームなどをサークルにし、技術知識が取得できる内容をもり込みます。
教科にするとレポート提出が必須になり、それがハードルになるのでサークルにしているとのことでした。
そこから技術に関する資格取得を目標にし、登校日数を増やすコースに移行する…という具合です。
教科全体の構成は文部省の基準がありそれに沿うわけですが、各校でそれを意味づけています。
私の見るところでは、対人コミュニケーションにつながること、自ら動いて実体験する方向になること、それにオンライン導入などコンピュータが生かすこと——こんな感じでしょうか。
生徒の実情に沿い、各校の特色を生かす教育目標や方法にしていると思いました。
そのあとで気づきました。それらは対応方法であり制度ではありません。一般に高校や教育機関はそれ以上をできません。
あまり強くは意識してはいませんでしたが、「だれ一人として取り残さない」ためには、これらの工夫、努力の次に制度が必要になるのではないか。
制度とは何か——前回の「孤独死をさける包括的体制」につながることです。
進路フェアの帰路で制度として考えるべき3点が浮かんできました。
1つは、対人的接触を避ける気持ちの人の自尊心を尊重する方法が必要になること。
次には虐待を受けている可能性のある子どもには「安否確認」の方法が取り入れられそうであり、それを発展的に生かすこと。
もう一つ「子どもへの司法面接」の考え方を広げて用いられるのではないか。
自尊心を尊重するのは後回しにされそうですが、はじめに考え、全体を見たとき改めて確認する項目です。
安否確認とは、「対象者が安全な場所にいて無事なのかを確認することです」。
行政としてのニュートラルな関わり方になると考えます。
「子どもへの司法面接」とは「虐待や性被害の目撃者・当事者となってしまった子どもから、正確な情報を引き出しつつ、子どもへの負担を最小限にするためには、いかにして聴き取りを行なえばよいのか?」を追求することです。
これを青年期や中高年期のひきこもり状態の人に適応するには、かなり高度な熟達を要すると思いますが、その考え方を発展させることになるでしょう。
各人の自尊心を守ることと、安全確認、熟達した司法面接の方法が両立すれば、「一人として取り残さない」行き届いた制度に近づけるのではないか——そう感じたのです。
これが「孤独死をさける包括的体制」の内容につながるのではないか、と。
学校・教育機関の役割と行政・司法的機関の役割分担を明確にできそうだと思いました。

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