南房総市教育委員会
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南房総市:半数が習い事支援利用 2年目も継続/千葉
南房総市が昨年6月に始めた小学5、6年生の習い事の月謝を補助する事業で、対象児童の約48%が補助を利用していたことがわかった。
事業は保護者の経済力による教育格差の軽減や子育て環境の充実を図る狙いがあり、保護者からも好意的な意見が多かった。
市は2年目となる今月以降も事業を続ける。
補助の対象となるのは、法人か1年以上の実績を持つ個人事業主が開く塾や音楽・スポーツ教室などの月謝。対象の塾や教室は登録制になっている。
市によると、昨年6月からの1年間で市内小5、6年生602人中378人が補助を申請し、289人が実際に支給を受けた。
支給額は保護者の所得に応じて月額7000~1000円まで6段階に区分。
最も多かったのは2000円(128人)で、7000円を受け取れる生活保護世帯からの申請はゼロだった。
支給総額は668万4000円。今年度の対象児童は551人に減るが、先月末段階で初年度を上回る399人が補助を申請した。
三幣貞夫・市教育長は「保護者の間で制度が広く知られるようになり、補助対象の登録事業者が増えたことが申請の増加につながったのではないか」と話している。
〔2016年6月8日・貧困ネット、平成28(2016)年6月2日 毎日新聞 地方版〕
不登校に専門相談員 独自策、元校長が家庭訪問/千葉
南房総市教委は不登校の児童・生徒に対応するため、1日付で経験豊富な元教員を「家庭児童専門相談員」として採用する。
ここ2年間で不登校だった市内の中学生2人が自殺した教訓を踏まえた独自の取り組み。
こまめに家庭に足を運んで児童・生徒と保護者の相談に乗るなど、問題の早期発見とケアに力を入れる。
【中島章隆】
専門相談員は非常勤職員で、採用されるのは、3月末で市内の中学校長を退任した鈴木智氏(60)。
市教委によると、同市では一昨年4月、中学3年の男子生徒が不登校を続けた末に自宅で自殺した。
これを受け、新年度予算で不登校対策に専従する専門相談員の制度を設けることにした矢先の3月、別の中学2年の男子生徒が自宅で命を絶った。
この生徒も昨年秋以降、不登校が続いていたという。
制度を発案した三幣貞夫教育長によると、不登校の児童・生徒にはこれまで教員が自宅を訪問するなどの対応を取ってきた。
しかし、教員が多忙のため問題を抱えた子供に専念できない傾向があったという。
市教委は3年前から、発達障害などの問題を抱える子供に対応する「特別支援教育相談員」も独自に採用し、市内の小中学校14校を巡回しており、今後は家庭児童専門相談員とともに2人で不登校に対応する。
市教委は、新年度の教育目標に「学力の向上」などに加えて「不登校児童生徒ゼロ」を掲げる。
三幣教育長は「鈴木氏は生徒指導主事の経験が長く、子供と親の双方から話を聞ける適任の方。問題が大きくなる前に、早め早めに対応していきたい」と話している。
三幣教育長は国の教育再生会議のメンバーで、全国に先駆けて学習塾など習い事の費用補助を全家庭を対象に実施するなど、これまでも独自の教育施策を打ち出している。
〔毎日新聞2016年4月1日 地方版〕