健常児と自閉症児がともに学ぶ混合教育
健常児と自閉症児がともに学ぶ混合教育
武蔵野東高等専修学校で「第10回公開授業」、混合教育の実践を報告、卒業生のパネルディスカッションも
武蔵野東高等専修学校(清水信一校長)の「第10回公開授業」(全国高等専修学校協会、東京都中学校進路指導研究会、公益社団法人東京都専修学校各種学校協会、NPO高等専修教育支援協会など後援)が9月24日、
東京・武蔵野市西久保の同校で開かれ、中学校や高等専修学校の教員など約90人が参加した。
今年創立30周年を迎えた同校は総合キャリア学科に陶芸、体育、情報ビジネス、大学受験など生徒の可能性を引き出す7つのコースを設け、健常児と自閉症児がともに学ぶ『混合教育』の実践校として知られている。
2年ぶりに開かれた公開授業のテーマは「混合教育(インクルーシブ教育)の実践報告」~30年間の人間教育の軌跡~。
全体会で清水校長=写真左=は「教育再生実行会議の第九次提言や、発達障害者支援法の改正で高等専修学校が評価された。
全国の教職員が生徒のために切磋琢磨した成果が形となった証であり、今後も高等専修学校の発展に協力をいただきたい」とあいさつ。
また来賓を代表して文部科学省専修学校教育振興室の星川正樹室長補佐は「これまでの取り組みは高等専修学校教育の振興に大きく役立つ。今日は実際の現場の見学を楽しみにしている」と述べた。
続いて全国特別支援教育推進連盟の大南英明理事長が「日本のインクルーシブ教育の現状と展望-共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進-」をテーマに講演。
我が国の障害児教育の変遷をはじめ、特別支援教育の現状や学校における支援体制について詳しく説明した。
さらに生徒会組織・友愛会会長の朝比奈更紗さんが設置コースや学校行事、部活動を紹介。
このあと数学や社会といった普通教科、調理・製菓、ファッションなど専門教科13科目の実際が公開された。
後半は卒業生によるパネルディスカッション「本校の混合教育の実践報告」が繰り広げられ、混合教育に対する思いや在学中のエピソードが披露された=写真右=。
最後に分科会が行われ、「発達障がい」「障がいのある生徒の進路指導」「混合教育」「障がいのある生徒の教育支援」で活発な意見が交わされた。
〔専門学校新聞 2016年平成28年9月24日〕