カスタム検索(不登校情報センターの全サイト内から検索)

 
Clip to Evernote  Twitterボタン  AtomFeed  このエントリーをはてなブックマークに追加  


今西進化論とウィルス進化論の紹介

提供: 不登校ウィキ・WikiFutoko | 不登校情報センター
移動: 案内, 検索

  

今西進化論とウィルス進化論の紹介

『進化論が変わる ダーウィンをゆるがす分子生物学』(中原英臣・佐川峻、講談社BLUE BACKS、1991年)
(1)今西進化論について。
「まず第一に、今西進化論の最大の特徴は、進化における自然淘汰の役割を全面的に否定することで、ダーウィン進化論と決定的に対立している。
今西は、進化の基本的単位は個体ではなく種であると考えている。
しかも今西は、棲みわけという現象によって区分されるという種社会という概念を使っているから、正確には、今西進化論における進化の単位は種社会ということになる。
第2に、今西進化論では生物同士の生存競争や生き残りゲームよりも、地球上には130万種という驚くほど多様な生物が生息し、その生物がそれぞれ進化してきたという事実に着目する。
これらの生物の種は陸に、海に、川に、空に、地中にと独自の生き方をしている。
この事実は、生物が生存競争を繰り返すよりも、生存できる空間を拡大しながら棲みわけていったと考える。
第3の特徴は、種を構成している個体の間には、基本的な差がないと考えることである。
種というものは、変化しないですむならば、なるべく変化しないものである。…
第4に、生物の種がどうしても何らかの変化をしなければならないときには、個体がばらばらに変化するのではなく、種全体が同時に変化するという今西はこのことを「種は変わるべきときがきたら変わる」と大胆に表現している。
しかし、残念なことに、今西は肝心の変化のメカニズムについては何の説明もしていない」(67-68ページ)。
「西洋科学文明を長いこと支えてきた方法論は、すべてをミクロにみる還元主義である。
この意味で、あくまでも個体の変化を重視するダーウィン進化論は、進化の原子論ともいうべきものである」(70ページ)。
*ミクロにみる還元主義とは、要素論と同じ。

(2)生物の進化の基準となる単位(種)をどこにおく
J・ド・ラマルクの。「獲得形質の遺伝で有名なラマルクは、進化の要因として生物の「内部感覚」を重視していた。
ラマルクは、生物は内部感覚によって生じた要求に応じて器官ができてくると考えていた」(132ページ)
「種というのは、お互いに交配して子孫が残せる可能性のある生物の集団という定義が広く使われている」=動物生物学者のE.マイヤーの考えによる。(145ページ)。
「細胞は生体の基本要素ではあるが、脳細胞をいくらくわしく調べてみても、人間の認識や思考のメカニズムはおそらく解明できないだろう。
つまり自然淘汰を説明する理論には、その現象に適した正しい単位が必要なのである」(146ページ)。
*ミクロ還元型ではない要素論が必要ともいえる。
内部感覚は目的のためといえるが、その方向性は外世界とのつながりも関係するのではないか。

(3)分子生物学(ウィルス進化論)またはプラスミド
赤痢患者に使われたストレプトマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、サルファ剤に同時に耐性を持つ赤痢菌(多剤耐性菌)が生まれた。
多剤耐性の赤痢菌と感受性の赤痢菌を一緒にすると感受性菌が多剤耐性菌になり、「大腸菌が多剤耐性菌になった」「多剤耐性遺伝子はプラスミドによって耐性菌から感受性菌に伝わることが証明された」(178ページ)。
「バクテリアにとって、抗生物質との闘いは明らかに生死を賭けた生存競争といえる。
この闘いの場において、バクテリアは、プラスミドという道具を使うことによって、自分だけでなく仲間のバクテリアと一緒に生き残っている。
…ダーウィン流の同じ種の生物同士の生存競争などという単純な図式で説明しようとするのは、どうもむりがありそうだ。…
プラスミドは、生物の遺伝子は種の壁を越えてやりとりすることはありえないという、今までの常識さえ破ってしまった。
それどころかプラスミドによる遺伝子の伝達が、人工的とはいえ大腸菌と酵母の間で成功したのである。
遺伝子は種を超すどころか、目や門も超えてしまったのである」(178-179ページ)。
これと同じような遺伝子のやり取りが自然界でも起きている可能性は否定できない。
*ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリンは抗生物質。
*大腸菌は代表的なバクテリア。バクテリアは病原菌だけではなく乳酸菌、納豆菌などがある単細胞の生物。
ウィルスは最も小さな病原体、ろ過性病原体といわれ、核酸とタンパクから構成されるが微生物とは異なる。
*生物の分類では、門(division)、綱(class)、目(order)、科(family)、属(genus)、種(species)の順。
著者はウィルスの一つがある生物に入り、そこから飛び出すときに宿主の遺伝子の一部を持ち出し、別の生物の遺伝子に入り込む。
それが自然界の遺伝子操作になり、生物の進化に重要な役割を果たしているという、ウィルス進化論を提唱している。(214-215ページ)。
この例示になるのが多剤耐性菌の形成におけるプラスミドの働きです。

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
地域
不登校情報センター
イベント情報
学校・教育団体
相談・支援・公共機関
学校・支援団体の解説
情報・広告の掲載
体験者・当事者
ショップ
タグの索引
仕事ガイド
ページの説明と構造
ツールボックス