ふくいICT倶楽部
ふくいICT倶楽部(福井ICT推進協議会)
種類・内容 | |
---|---|
所在地 | 〒 福井県福井市 |
連絡先 |
デジタルは高齢者を救う
中心市街地を拠点に活動を続けているのは、ふくいICT倶楽部(クラブ)(福井ICT推進協議会)です。
中央公民館や市総合ボランティアセンターなどを会場に、スマホ講習会などを行うほか、デジタル庁の「デジタル推進員」として、各公民館で総務省の「デジタル活用支援推進事業」を担うなど、地域のデジタル化をサポートしています。
「スマホでLINEとGoogleアプリが使えるだけで、これまで『社会的弱者』と呼ばれてきた人たちにとって、本当に多くのことができるようになる」と話すのは、代表の佐藤紘一(こういち)さん。
全国的には三世代同居率の高い福井ですが、徐々に独居老人も増えていると言います。
足腰が弱るとひきこもりがちになり、話す相手がいないと気持ちも頭も衰えてしまう。
それを防ぐのに最適なのが、LINEのビデオ通話機能です。
年老いた家族と離れて暮らす若い人たちにも、ビデオ通話を使って、毎日少しでも話す時間を取ることを強く勧めているそうです。
「顔色や表情などから、電話では分かりにくい、ちょっとした違いに気付くことができる」と言います。
また、講習会の参加者間には、そこでの出会いがきっかけで、新しいコミュニティも生まれています。
教室以外のところでもデジタル技術を活用して連絡を取り合い、いつも仲良く楽しそうにしているのだとか。
個人のデジタル活用力を向上するだけでなく、高齢者全体を元気にすることが、活動の大切な目的なのだと言います。
■就労支援の強い味方
スマホの基本操作を習得した人には、中級コースも用意。
ウェブ会議ツールやクラウド(インターネット上で利用できるソフトウェアや記憶装置など)の活用方法を教えています。
出産、介護などで一度離職した人の再就職や、子育てしながらリモートワークをしたい主婦などの就労支援としても、デジタル技術は強い味方です。
■障がいを持つ人にも恩恵
同時に力を入れているのが、障がい者のためのデジタル技術活用です。
昨年の聴覚障がい者向けのスマホ教室では、相手の話す言葉をその場で文字に変換表示するアプリを使い、手話ができない健聴者とのコミュニケーション支援を行いました。
また、スマホ上の文字を音声にする機能を使い、目が不自由な人の社会参加を支援する活動も計画しています。
「通信インフラが整えば、スマホを利用して、視覚障がい者が、他人の補助なしで歩行できる環境が実現できる」と、デジタル技術を活用したまちづくり構想を語ってくれました。
デジタル技術というと、得てして若者やビジネスマン、最新技術を扱う専門家のものと思われがちです。
しかし、むしろ、加齢や障がいなど、さまざまな理由により現在の生活に不自由を感じている人たちこそ、その恩恵を受けられる可能性に満ちていると言えるでしょう。
〔市政広報ふくい 2023年2月10日号〕