Job:動物園飼育係
動物園飼育係
〔2003年原本〕
動物園で動物の世話をする仕事です。
動物園には水族館やサファリパークなども含まれます。
人間にとっての動物園は博物館の一種であり、飼育者は博物館の学芸員的な役割ももっています。
仕事の内容は担当する動物や、動物園の規模や性格によってかなり変わってきます。
朝出勤は7~8時と早いことが多いようです。
動物は日の出とともに起きるものが多いので、飼育係の仕事もそれに合わせて早くなります。
健康状態をチェックしたり運動場へ出したり、動物舎の掃除、糞尿の掃除、食餌や水の世話、生態の観察・調査などです。
熱帯産の動物は暖房、寒帯産の動物には冷房を入れたりします。
いちばん大事なのは食餌ですが、毎日ほとんど同じメニューになります。
変わったものは食べたがりませんし、野生動物は以外に食べ物に弱いので変わったものは虫歯などむしろ健康を害するもとになるのです。
人間のかじった食べ物をもらい、それから病気が移ったりすることもあります。
精神的にもデリケートです。
チンパンジーなど類人猿は、人間とほとんど同じような精神反応を示します。
母親の子どもへの愛情、子どもの扱い方、仲間同士の好ききらい、得意になって元気なときもあれば、げっそりと落ち込むこともあります。
本音と建て前を分けることはありませんから、精神状態がすぐに表に出てしまいます。
しかし、ものがいえませんから、飼育係はよく観察して、それらに気づき、病気かどうかを調べなくてはなりません。
飼育係にとって最もつらいのは、担当している動物の死に直面することでしょう。
(社)日本動物園水族館協会の実施する飼育技師資格認定がありますが、これは実務経験2年の人に受験資格ができるものです。
飼育係になるのに特別な資格はいりません。
動物が好きであることが前提ですが、動物の生命に休みはありませんから、飼育係の仕事に正月や盆の休みはありません。
交代勤務になります。
病気になれば徹夜の看護もあります。
お産のときも泊り込むことが少なくありません。
深い愛情と根気と忍耐のいる仕事になります。
希望者はかなり多く(求人が少なく採用試験がむずかしい)、飼育係になれる人は多くありません。
サファリパークなど含めて、日本には動物園・水族館の数は100未満で、飼育係1000人程度といわれています。
30代の男性がほとんどです。
水族館の仕事も基本的には同じようなものですが、水の管理が大切です。
水槽に酸素を送る設備の管理などにも気を遣います。
ほとんど公営なので、公務員給与になります。
サファリパークなど一部の民間施設があり〔給〕は〔並〕。
(社)日本動物園水族館協会
〒110-8567 東京都台東区台東4-23-10
ヴェラハイツ御徒町402
TEL03-3837-0211
http://www.asahi-net.or.jp/~rn2h-dimr/