金山町立金山診療所
金山町立金山診療所
種類・内容 | 内科・小児科・外科・精神科 |
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所在地 | 〒999-5402 山形県最上郡金山町大字金山548-2 |
連絡先 | TEL 0233-52-2915 FAX 0233-52-2928 |
町立金山診療所小児科医師 藤山純一
乳幼児の健診について
今回は乳幼児の「健診」についてのお話です。
子供の健診には、生後1ヶ月、4ヶ月、10ヶ月、1歳半、3歳、保育園・学校の健診などがあります。
1ヶ月健診は生まれた産科や病院で行われ、4ヶ月から3歳健診はおもに集団で行われます。
それぞれの健診ではどんなことがポイントで、どんな所をみているのでしょう。
1ヶ月健診では、哺乳の状況、体重の増加、手足の動き、顔・頭・外性器の形の異常などを見ます。
この頃の体重増加は1日30gくらいです。
哺乳後の嘔吐はよく見られるもので体重増加が良ければ心配ありませんが、噴水のような嘔吐で体重増加が不良な場合は肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいさくしょうゆうもんきょう)などを考えます。
また、異常な心雑音があれば先天性の心臓病を考えます。
4ヶ月頃には、体重は生まれたときの約2倍になり、首座りが完了し、追視ができ、あやすと声を出して笑います。
健診では座位で光への目の動き、音への反応、眼瞼結膜で貧血の有無、首のしこり、心音などを確認、仰向け寝で腹部のしこり、そけいヘルニア、停留精巣、股関節の開排制限の有無などを見ます。
引き起こしで頭が不安定でも、腹ばいで頭を上げれば首は座っています。
10ヶ月頃までには大きな異常は大体見つかっています。
安定したお座り、ハイハイ、つかまり立ちなどが出来るようになり、物を上手につかみ、人の動きをまねたり、喃語を話したりします。
これらに問題があれば発達の遅れを考えます。
また視力や聴力障害もはっきりしてきます。
1歳半では上手に歩き、手先も器用で明らかな言葉も話します。
健診では運動発達と精神発達の確認に重点を置きます。
歩行は安定しているか、過剰な行動はないか、「こんにちは」「バイバイ」などの話しかけへの反応などから発達障害、多動症などのチェックを行います。
3歳では走ったり階段を上がったり片足立ちをしたり、自分の名前や3語文を話し、友達と遊べるようになります。
1歳半ではわからなかった発達の遅れ、自閉スペクトラム症、視覚・聴覚異常などがはっきりしてきます。
自宅でのささやき声による聴力検査、ランドルト環での視覚検査、会場での屈折検査器での斜視・屈折異常の検査、歯科検診も行います。
健診は発育や育児の大事な確認の場であり、病気の早期発見の場です。必ず参加するようにしましょう。
また問題があった場合でも、すぐがっかりしたりせずに「かかりつけ医」に相談するようにしましょう。
〔広報かねやま 2022年12月号〕