Job:アニメーター
アニメーター
〔2003年原本〕
アニメーション(動画)の絵を描く人です。
物語のシナリオができ、監督(演出家)が絵コンテを作ったところから、アニメーターの仕事が始まります。
絵コンテを土台に原画を作成します。たとえば歩くシーンだと、動きを分析して初めて終わりの2枚の原画を描きます。
その2枚の絵をつなぐ動きは中割りをよばれます。
この中割りを描く動画家がアニメーターの多数をしめます。
そのほかに場面の背景図を描く人、彩色担当者などがいて、分業化がすすんでいます。
絵の表現力は、絵の上手下手よりも経験がものをいうようになります。
同じ動きであっても元気いっぱいなのか、しょんぼりした感じなのか、それを表すのが表現のしかたで、
普段の子どもや動物の動きを観察・分析していれば、うまく表せるようになります。
アニメーションの内容は、スポーツ、子どもの世界、動物の話、時代劇、SFなど多種多様で、それを調べなくてはなりません。
映画1本作るのに最低約2万枚のセル画が必要で、約200人のアニメーターが参加します。
1枚の絵を2コマずつ撮っていきますから、1秒に最低12枚の絵が必要です。
絵の枚数は予算によって大きく変わります。
就業先はアニメ制作プロダクションです。
受注型の仕事で、時間におわれ残業が続きます。
徹夜も珍しくありません。
プロダクション自体が少なく、また制作費を抑えるために、韓国などへ作画を下請けに出す傾向強まっています。
一方、同じパターンの図形を多数作るCMアニメを中心にコンピュータ導入も進んでいます。
背景画を描く人は風景画家的センスが必要で、一般には美術担当の仕事です。
彩色は単純作業なのでアルバイトを指導養成しておいてそこへ回すこともあります。
キャラクターデザインは登場人物などを設定することで、ふつうは作画監督の仕事です。
漫画家があたることも少なくありません。
作画監督はこれらのディレクター役で、動画を点検してキャラクターを合わせたり、表情をチェックしたりします。
アニメーター専門の養成学校ができています。
そこで知識と技術を身につけるのが「近道」なのですが、そこを出ても制作プロダクションにすぐ入れるわけではありません(欠員待ち)。
志願者は地方の中・高校生が多く、半分以上は女性です。
絵が好きなこと、とくにデッサン力、デザイン力が必要ですが、体力と忍耐力もいります。
資格は不要です。
アニメーション作家として、芸術的表現手段としてアニメーションづくりをめざす人は、専門学校よりも大学のデザイン・映像関係学科で
アニメーション理論を学びながら、自分の作風をつくりあげるほうがいいでしょう。
アニメーション作家は、企画から撮影まで1人でこなすのが普通です。
〔給〕は〔低〕、ごく一部に高収入の人も。