相談窓口を小学校区単位で設置
相談窓口を小学校区単位で設置
まちづくりと一体にある「まち保」は名張の大きな魅力
住民の身近な場所に、専門職へ横断的な相談ができる仕組みを作ったのは、すごく先駆的。
分野を問わない相談窓口を小学校区単位で設置したのは、全国で名張市が初めてなんです。
「まちの保健室」がまちづくりと一体となって取り組んでいることが大切なポイント。
活動を通して地域の人とのつながりを増やすことで、困っている人がSOSを出しやすくなり、支援にもつながりやすくなります。
特に、孤独・孤立やひきこもりなどは、行政で相談窓口を設置しても自らはなかなか足を運びません。
身近に何でも相談できる場所があり、普段から顔を知っている人がいるからこそ、悩みを抱えた人と、つながりやすくなります。
もちろん「まちの保健室」が全ての悩みを解決することはできません。
地域の中でのつながりや活動、また行政や専門職のバックアップがあってこそ、「まちの保健室」の力が発揮されるのです。
「人の力」を「地域の力」につなげていくネットワークづくりの要として「まちの保健室」は欠かせない存在ですね。
同志社大学 社会学部教授 永田祐さん
■まちの保健室の取組が世界からも注目されています!
「まちの保健室」の取組は、WHO(世界保健機関)も注目。名張市へ何度も視察に訪れています。
孤独・孤立の防止や地域共生の実現などの課題解決に向けて、「まちの保健室」の存在は大事なキーポイントと捉えられています。
人との交流が減ったコロナ禍で、まちの保健室への電話や訪問による相談件数は約1.5倍に増加しました。
このことからも、悩みを抱えた人や地域の人にとって、心の寄りどころとなっている大事な存在であることを改めて実感しましたね。
これから、「まちの保健室」がつながりたいのは、例えばひきこもりの状態にある人やそのご家族。
社会の環境、心や身体の状態など、様々な要因が重なり、誰にでも起こりうるものです。
一人で抱え込まず、困ったときは相談できる存在であると知ってほしいです。
そばにはいつも「まちの保健室」があります。
地域包括支援センター 白岩美菜(社会福祉士)
■お話しませんか? 介護で悩む前に
◇悩んだ時には一緒に考えましょ!
百合が丘地区まちの保健室
秋山 知己(ともみ)さん 中村恵美子さん
百合が丘も高齢者が多くなってきて、介護の相談も増えてきていますね。
まちの保健室で解決しない時は、寄り添いながら必要な機関につないでいます。
「困った事があれば、まち保さんに相談したらいいよ」と住民さん同士が声を掛け合ってくれているのがすごく嬉しい。
地域と一緒になって、これからも一番身近な窓口として、住民の皆さんをサポートしていきます。
◇奮闘する姿に胸が熱くなりました!
百合が丘市民センター長
石山 元吉(もときち)さん
市民センターを訪れる人の中で「いつもと感じが違うな」「この人、最近元気がないな」と気づいた時や、住民さんから相談を受けた時は、すぐにまちの保健室へ相談しています。
近くに専門職の人がいてくれることは、地域にとって心強いですね。
コロナ禍の時は、地域のために奮闘するまち保さんの姿を見て、胸が熱くなりました。
まちの保健室は、地域にとってなくてはならない存在です。
■お話しませんか? 一息つきたい時に
◇用事があってもなくてもいつでも来てね!
つつじが丘地区まちの保健室
辻森 智江さん 下野亜子(あこ)さん 奥野育子さん
おしゃべりしたい時にフラっと行ける所がまちの保健室。
相談がある時だけではなく、育児や介護の合間にホッと一息つきたい人や、友達の悩みを抱えた子どもなど、幅広い世代が来てくれます。
何気ない会話から、本人も気づいていない悩み事が分かることも。
会話が弾むような雰囲気づくりを心がけています。
心の休憩をしたい人、いつでも来てください。
◇フラっと寄って元気をもらってます
よくまちの保健室を利用している
竹中 雅美さん 凜(りん)ちゃん 蒼空(そら)くん
「離乳食でこんなん食べたよ」「最近、子どもの寝つきが悪くて」といった、子どもの相談に限らず世間話など、まち保さんは何でも話を聞いてくれるんです。
だから、子育て広場に来た時や、ちょっと一息つきたい時に来ることが多いですね。私にとって、まち保さんは子育ての先輩。
気軽に相談ができる人が身近にいることは、子育てをする上で、すごくありがたいです。
■あなたも「まちの保健室」を訪れてみませんか?
「まちの保健室」は、市民センターなどに設置しています。
〔広報なばり 令和5年5月10日号〕