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Center:20代以上の支援に関わる意味(2)

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20代以上の支援に関わる意味②

〔2010年06月29日〕 年長者への支援の困難さは次の報告にも表れていないでしょうか。 「1)ひきこもりと社会的自立の中間的なタイプへの対処   ……実際の就労へどうしても踏み出せないという、ひきこもりでも社会的自立でもない群が一定程度現われるはずです。そのため、この中間的・過渡的な集団での支援を延々と続ける必要も出てきます。さらには、この中間的・過渡的な集団に参加する段階に至らないまま、個人的支援にだけ参加できるような、あるいはまったくそれも拒んで家庭にとどまるようなひきこもり状態を続ける群も必ずや存在することでしょう。  2)一貫した包括的な支援体制とネットワークの構築  このような息の長い支援を地道に提供し、状況の変化に適切に対応できる柔軟でしなやかな支援の体制を維持し続けるためには、今後は継続的に一貫した支援を提供できる体制づくりが必要となるでしょう。」  〔出典=思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究。研究代表者・齋藤万比古『ひきこもり評価・支援に関するガイドライン』>5.今後の課題>5.1ひきこもり支援と今後の課題。厚生労働省ホームページhttp://www.ncgmkohnodai.go.jp/pdf/jidouseishin/22ncgm_hikikomori.pdf〕 Tさんが「時間だけが過ぎていく」感覚になるのは、このガイドラインの指摘するところによる引きこもりと社会的自立の中間にいる人、私が年長者と位置付けるうち20代後半以上の人の実感に基づくものです。それだけに切実さを否定するつもりはありません。しかし、少なくとも私には適切な方法を確立しえずにいます。 ガイドラインはそれをより一般化したものです。支援方法は、Tさんが要望する人材養成バンク方式がいいとは思えません。数年前にある団体が独自にそれに近い方式を始めるのを知ったとき、上手くいくのを期待しながらも、事態の困難を知るだけの機会になるかもしれないと危惧しました。私の経験でも事態を知る上で貴重でした。  これまでは中間的・過渡的な状態の人に対してフリースペースから始め、やがてワークスペースが生まれました。当事者からの「不登校情報センターを働ける場にしてください」の要望に可能な形で応えたものです。その延長線上に「創作活動を社会参加に生かそう」の試みがあります。自然発生的な要素があり、途中から意識し目標を立ててきました。しかし、確立した方法ではありません。試行錯誤の中で出口を見つけ出すしかなく、不十分ななかで進むのです。  何らかの方法を確立している支援者・支援団体はあるのかもしれません。しかし私は知りません。知っていたとしても自分の経験や知識との整合性や自分にもできそうな感覚にならないと手をつける気持ちにはならないはずです。もどかしいと思うでしょう。私ももどかしいと思っているのですから。ですが焦らない、試行錯誤の中に楽しみを探し、成功・失敗にこだわらず小さな成果を育てる。粘り強く常に1ミリ前をめざす。それが着実な方法です。 まずい点を指摘することはたやすいことです。何かを始めると失敗はつきもので批判される対象はどんどん生まれます。言い訳している暇はないのですが、事情説明は言い訳に受け取られます。実践優位で理論化する。そうすれば活動を相対化でき弱点も見えるし批判もわかります。しかし弱点ばかり見て無行動になるのまずい。ボチボチいきます。

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