企業・事業所のCSR(企業の社会的責任)として雇用創出
企業・事業所のCSR(企業の社会的責任)として雇用創出
企業社会の変容・その2
(専門学校 東京スクールオブビジネス 専任教員 庄司一也)
企業の第一の目的は利益を上げることである。
この考えには異論・反論があると思われるが、まず一般市民として感じる多くはこれであろう。
一方、企業の使命として、近年CSR(corporate social responsibility 企業の社会的責任)が注目されている。
すなわち、企業において、利益を追求する営利活動のほか、社会的責任として、「環境に配慮した経営を行う」とか、「女性や障がい者を積極的に採用する」、「社会貢献的事業を行う」などである。
このCSRにおいて、本稿においては、新しい雇用の創出というものを考えてみたい。
アベノミクスの効果により景気は回復傾向にあるといってよいかもしれないが、業界あるいは求職活動事情はまだまだ困難な状況が続いている。
新卒採用・キャリア採用ともにまだまだ売り手市場とはいっていない。
さて、このような状況時に、とりわけ企業の取るべき措置はなんであろうか。
それは、「企業が雇用創出の場」という役割を持っていることを再認識し、各採用活動を積極的かつ精力的に行うことである。
従来の新卒一括採用の見直し、本人・人柄重視の採用、充実した企業内教育前提の採用等、導入できる措置は多々ある。
ただし、近年の景気動向により、企業に雇用および各活動の基礎体力がないのも事実である。
まずここで、政府に企業を支援・援助する政策を願いたい。
そして、各事情を抱えた求職者たちをじっくりと選考・採用できる体制を確立させていきたい。
すなわち、第一段階として政府による企業支援、第二段階として企業による選考・採用活動の発展である。
そして、第三に、求職者たちがNPO等の支援機関(不登校情報センターもその1つになります)を積極的に活用し、一歩前へ踏み出していただきたい。
企業採用者たちも、多くの隠れた人材をほしがっている。
私の職場(専門学校)にも多くの求人に関する問い合わせがかかってくるが、これら企業と求職者のマッチングをひとつで多く実現したいと考えている。
企業は好景気感を実感しだし、一方で雇用システムの変革を求められている時期でもある。
隠れた人材、あるいは各事情がある人材を発掘する意味でも、国・企業・求職者の意識改革とともに、支援機関のさらなる活躍が期待される。
景気動向の変化とともに、企業情勢もめまぐるしく変化している。
「新しい雇用の創出」あるいは「多様な雇用の創出」の重責を担っている企業には、今後も本稿を含め多くの提言を行っていきたい。