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アーユルヴェーダの理解(3)
〔2011年4月19日〕
『アーユルヴェーダの知恵』の第4章の1「ヨーガ瞑想法」
「瞑想とは生理機能が働いている具象の世界から、ドーシャが働く非具象の世界を通って、もっとも純粋な意識そのものへと降りていく技術なのである」(107ページ)。 「想念が消え、意識だけになったときの意識を『純粋意識』と呼ぶ。この場は完全な静寂の場であり、あらゆる日常の精神活動はストップする。(110ページ)『純粋意識』あるいは『無の境地』にはドーシャのバランスを回復する強い作用があるという」(110ページ)。
『純粋意識』や『無の境地』という言葉は、私にはいまのところ前に見た使用法になる。 ドーシャのバランスを回復する力は…これは睡眠の役割に瞑想が重なると理解できるだろう。
「心理・生理機能のすべては純粋意識という結晶の場で調整を受け、三つのドーシャは完全なバランスをとり戻すのである。… このとき、脳の中ではどんなことが起きているのであろうか。脳波はそれを知る手がかりを与えてくれる。これまでの報告では、純粋意識の状態に近づくとα波の振幅が高まり、それが脳全体に広がる。これと同様な反応は座禅でも起こる。 さらに瞑想の場合は純粋意識に入ると、脳波のコヒーレンスが高まり、同時に呼吸が一(112ページ)時停止するとされている。コヒーレンスとは脳の各部分がたがいに同調して動いている度合いを測定する指標の一つで、通常はバラバラに動いている脳の各部分が、このときは一つのまとまった結晶のように一体となって動く。呼吸の一時停止と同時にこれが起きた場合には、脳の最小励起状態を表現している可能性がある」(113ページ)。 α波についても調べてみる価値があるのではないか? たぶん後に出てくるハーブに見られる同調性を、ほかの状態におかれたときにも人間の脳が感知していることになるのではないか。
『アーユルヴェーダの知恵』の第4章の2「ギャップの構造」
ギャップの構造とは、「簡単にいうと自己浄化(自然治癒力)を起動させるシステム」(114ページ)。 ギャップの構造とつくる四つの段階 (1)古い状態の崩壊、(2)絶対の静寂、(3)新しい活動の開始、(4)新しい状態の出現。…不登校や引きこもりにも適応できる。 著者は慢性胃潰瘍を例に解説。「たまの休日ゆっくりすると翌週は少し状態が回復するが、少し過(117ページ)大な疲れがたまると胃潰瘍ができてしまう。大きな胃潰瘍ができたときには制酸剤や胃酸の分泌を抑える薬を服用してその場しのぎの小康を得るが、しばらくするとまた悪化してしまう。こんなことをくり返し“安定している”のが慢性胃潰瘍である。 これを治すには、奇妙に『安定した』慢性状態を一度破壊しなければならない。これが第一段階の『古い状態の破壊過程』である。古い状態をこわさないまま場当たり的に薬で症状を抑えているだけでは治療は期待できない、というのがアーユルヴェーダの基本的な考え方である」(118ページ)この後、第二から第四段階の説明が続きます。 これを「自然治癒力の経路を開くアーユルヴェーダの治療哲学であり、古いものと新しいものの間に介在して機能を回復するのが『ギャップの構造』なのである」(120ページ)という。 「ギャップの構造」のなかにある本質的なもの…それは「記憶」であり、「深くDNAの記憶のなかに自分を探る」(120ページ)。
はたしてDNAにまでたどれるかどうか、それは信じられない気がするが、純粋意識の追求などはそれにつながる試みなのでしょう。S.フロイトは太古性をいうが、これに関係するような気がする。
『アーユルヴェーダの知恵』の第4章の3「パンチャカルマ=身体浄化法」は、省略します。脈振と同様に実践的な部分です。その次に第4章の4「ハーブの同調作用」には注目すべき記述があります。ページを改めます。