お答え:初めは没頭するが何かを見つけるものー赤沼侃史
初めは没頭するが何かを見つけるもの-赤沼侃史
質問:
4月に進学校といわれる私立高校に入学しましたが、1週間ほどして行かなくなりました。
いまは毎日、パソコンでゲームをしています。
親として何をすればいいのでしょうか。
回答:
進学校に入学できたのですから、とても頭がよいお子さんですね。
この頭のよさを発揮させるには、いったん学校から離れることです。
多くの大人は、子どもが学校に行けないなら、せっかく高校に入ったのだから、その年は休学し、留年して、来年から高校に行けばよいと考えがちです。しかし、ほとんどの場合翌年も学校に行けません。
最終的に退学になり、家に引きこもって、つらい青春を過ごすことになります。
このような子どもの多くは、中学時代によい子を演じ続けて、無理をして勉強を続けて、高校という新しい環境でよい子を演じ続けられなくなって、学校に行けなくなっています。
それでもよい子を演じ続けることを求め続けられ、高校に行くことを求められ続けると、高校に行けない自分をだめな人間だと思うようになります。
それに伴ってますますつらくなり、部屋に引きこもったり、荒れたり、病気の症状を出すようになります。
よい子を演じ続ける必要がないことを認められ、高校に行かなくてもよいと認められると、子どもの心は楽になり、その子どもなりの心の成長をしようとするようになります。
初めのうちは納得できるまでゲームや漫画、テレビなどに没頭しますが、そのうちにその子どもなりの何かを見つけて、社会活動をするようになります。
必要に応じて高校を再受験したり、定時制高校に行ったり、通信制高校を目指す人もいます。
高校の存在意味を主張する人が多いですが、子どもの立場から言うなら、子どもの目標を達成するための通過点です。
高校の資格は高校卒業認定試験で取って、自分の目標を実現する大学や専門学校を目指した方が得です。
私の経験では退学後、高校卒業認定試験を早めに合格して、外国に留学したり特技を磨いて、有名大学や国立の医学部に入学して、弁護士や医者になったり、専門学校から理容師、美容師になり、カリスマとして騒がれている人もいます。
学校に属していると、外聞はよいですが、いまの時代将来が開けるとは限りません。
一方で自分の意思で自分の将来を開いていく生き方は、人間としてとても大切な生き方です。
これからの日本社会が求めている人だと思います。
回答者と所属団体
赤沼侃史・子どもの心研究所(登校拒否研究室)