職業能力開発施設
職業能力開発施設
〔不登校情報センター編『中卒・高校中退からめざす専修学校と技術・資格の学校』、あゆみ出版、1999年12月発行の第3章〕
労働者とその外郭機関である雇用促進事業団、都道府県と一部の市、および事業者と事業者組合(職業訓練法など)が、各種の職業上の知識、技術、技能を系統的に養成、訓練する機関が、職業能力開発施設です。
職業訓練施設あるいは職業訓練学校といわれています。
職業訓練の内容は、実施する施設(設置者)、技術を養成する対象者、訓練期間などによって、いくつかに分かれます。
本書においては、中学校卒業生および高校中退者を対象とする点を中心に、その種類を説明します。
それは「長期訓練(普通職業訓練)普通課程」といわれるもので、若年者(中学校と高校の卒業者)を対象として1年以上の職業訓練を実施しています。
中学校卒業生は主に2年、高校卒業生には主に1年が訓練期間となっています。
なかには期間3年のところもあります。
全国で実施されている「長期訓練・普通訓練」を一覧表にしたものが別表「長期訓練普通課程の科別、期間別、公共民間別の施設数」です。
この表では、公共職業能力開発施設と認定職業訓練校に大きく分かれています。
公共職業能力開発施設は、労働省、雇用促進事業団、都道府県市が設置しているところです。
認定職業訓練校は、事業者と事業組合の設置しているところです。
科名は、五十音順に並べています。
この表は、公共職業能力開発施設については『職業能力開発施設ガイドブック』(中央職業能力開発協会、1997年3月)により、認定職業訓練校については『全国認定訓練校名鑑』(労働省職業能力開発局、1996年7月)により作成したものです。
それぞれ、その後の変動もありますし、また各科の内容その他の基準も同じとは言いきれません。
全国的状況を考える一応の参考資料となるでしょう。
長期訓練・普通課程を実施している公共職業能力開発校は都道府県が設置しているところです。
その一覧表が別表「都道府県職業能力開発校――〔長期訓練・普通課程〕のある職業訓練校」です。
このなかには、通信制高校と技能連携になっているところもあります。
ただ、通信制高校を卒業するだけの科目を履修するには1年、2年の訓練期間では不十分ですので、職業訓練校を終了後もひきつづき独自に学んでいかなくては卒業にはいたりません。
しかし、科目を履修し、修得すればその分は高校の単位認定をされます。
事業所および事業所組合設立の認定職業訓練校にも、長期訓練普通課程を設置しているところは多数あります。
そのなかには通信制高校の技能連携施設になっているところもありますし、期間3年のところもあります。
その結果、この認定職業訓練校を終了すると、同時に高校卒業になるところがあります。
それが別表「高校卒業資格のとれる認定職業訓練校」です。
12校が確認できます。