足立区ひきこもり支援担当
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ページ名 足立区ひきこもり支援担当 東京都足立区()
特別対談 家族が悩みを分かち合い安心できる居場所に
足立ひきこもり家族会×(かける)足立区長
○ひきこもり本人が一歩踏み出す元気を取り戻せる環境をつくる
[近藤やよい足立区長]今日は、ひきこもり状態にある方のご家族が悩みを分かち合い、支え合いながら安心できる居場所として活動している「足立ひきこもり家族会」の皆さんの思いなどをお聞きしたいと思っています。
[家族会代表Aさん]ひきこもり本人に対する様々な支援はありますが、本人が一歩踏み出せるようになるまでの家族の対応が重要です。
家族が本人を理解して、元気を取り戻せる環境をつくるためにも、同じ悩みを持っている人同士で抱えている気持ちを吐き出し、学びながら、家族も一緒に変わっていくことが大切だと考えて活動しています。
[近藤区長]ご家族が自身を責めてしまうことも少なくないと思います。
心身ともに健康でいないと、互いにつらい思いをすることにもなりかねませんね。
Bさんが家族会に参加されたきっかけを教えてください。
[家族Bさん]本人が相談に行くのは難しかったので、私が「あだち若者サポートテラスSODA(ソーダ)」に相談に行き、家族会を紹介してもらいました。
本人はそれまで活動的でしたが突然寝てばかりの生活になり、1年間入浴もできない状態にまでなってしまったんです。
[近藤区長]家族として苦しい思いをしている本人を支えたいと思っても、日常生活の中では難しい面もあるのでしょうね。
[Bさん]そのとおりです。これからどうなるのか不安に押しつぶされそうでしたが、私が自宅を出て本人と距離を置いたことで良い方向に関係が変わりました。
家族会とつながって、本人が一番苦しんでいることに気づけたんです。
すぐに解決できる問題ではありませんが、サポートするためには自分が元気でいないといけません。
今は自分で自分の機嫌を取りながら、本人のつらさを忘れずに接するように努めています。
[近藤区長]Cさんのお子さんがひきこもり状態になった経緯を教えてください。
[家族Cさん]中学3年生のときに受けたいじめがきっかけで不登校になりました。
その後大学を中退し、いくつかのアルバイトにチャレンジしましたが完全にひきこもり、2年続きました。
成長過程で違和感もあったので病院を受診したところ、「広汎性発達障害(自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群などが含まれる)」と診断されました。
本人はそれで「すっきりした」と言い、そこから回復しはじめました。
今は仕事ができるようになり、支援機関のおかげで今があると感謝しています。
○本人に合った専門家の育成と支援にたどりつけない人が課題
[近藤区長]どのような支援が役立ちましたか。また区に望むことはどんなことでしょうか。
[Cさん]足立保健所の保健師さんと就労移行支援事業所に助けられました。
本人は自室からまったく出られないわけではなく、就労したいという気持ちもありました。
就労移行支援事業所のサポートを受けてもなかなか就労に結びつかず、何度も諦めそうになりましたが、企業の実習体験を受けることができ、就労に結び付きました。
発達障がいなどの特性がひきこもりにつながっている人は少なくありません。
仕事をしてお金を得ることが本人の自信になると思うので、本人に合った専門家につながれるよう、支援する側の人材育成や支援機関の充実をお願いしたいです。
[Aさん]相談機関につながるのが早いほど回復も早いので、支援にたどりつけない人をどうするかも課題です。
ご家族も、自分たちだけで抱えないで相談してほしいと思います。
[Bさん]とはいっても、家族会や相談窓口に行くには、親にもエネルギーが必要です。
以前、別の相談窓口に行ったときに「困りごとは何ですか」と聞かれ、言葉を詰まらせてしまったことがあります。
声もあげられないほど疲弊している人もいるということを理解してもらえたら、と思います。
[Cさん]10代の不登校からはじまるひきこもりの初期段階は、親はどうしたらいいのか分からず、不安でいっぱいです。
家庭で子どもを追及するような言葉をかけると状況はさらに悪化するので、相談に来られた親の精神的サポートも手厚くしてほしいと思います。
〔あだち広報 2024年11月10日号〕