林業研修生
林業研修生
種類・内容 | |
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所在地 | 〒 愛媛県内子町 |
運営者・代表 | |
連絡先 |
小さな林家の大きな出会い 林業の種まき(3)
■研修生の笑顔に元気をもらった
林業の担い手の課題はすぐに解決できるものではありません。
でも、何もしなければ何も変わらない。今回の研修で林家の心境にも変化がありました。
研修生を受け入れた林家の一人、梅岡茂則さんに思いを聞きました。
◆都会の研修生の生き生きとした表情その輝きに林業の未来を感じた
内子町林業研究グループ会長 梅岡茂則(しげのり)さん(71)(乙成)
◇山も人も育てるのは難しい
定年退職をしてからは山一筋の林家で、先祖から受け継いだ山を守ってきました。
内子町で林業をする人は随分減り、山を育てるのも、人を育てるのも難しくなってきました。
林家の仕事は土壌を保全し、豊かな自然環境を育み、町や地球の環境も守っています。
私たちのような林家がいなくなると山が廃れてしまうと心配しています。
◇研修生に元気をもらった
このような研修を受け入れるのは初めて。
参加者以上の応募があったと聞いて、都会には林家の仕事や自然、田舎に関心のある人が多いことを知りました。
研修生たちは普段のなりわいを見てくれて、山仕事も一緒に手伝ってくれました。
私の山を見て「気持ちがいい」「きれい」と目を輝かせてくれたことがうれしかったです。
自分たちが今まで頑張ってきたことが報われたような気がしました。
研修生の声に元気をもらい、自分の仕事に誇りを持てました。
◇この取り組みは希望の光
一人でも多くの人に林業に目を向けてほしい、担い手を増やしたいと思っていたので、今回のような取り組みは林家にとって、希望の光のように感じました。
これからも林業を学びたい人がいれば喜んで受け入れたいです。
自分が身に付けた技術も山の育て方も惜しみなく伝えたいと思っています。
小さなことかもしれませんが、何度も繰り返すことで、現状を変えられるかもしれません。
今回の研修生のような若者の姿を見たら、町内の若者にも林家の魅力が伝わると思います。
林業に活気が出れば、町の元気につながる――。
そう信じてこれからも頑張ります。
▼Interview
◇林業や町の未来へのいい種まき
ミカタスイッチ(株)納堂邦弘(くにひろ)さん(47)(小田下)
「ムラ暮らしインターン~小さな林業編~」の内子町側の責任者として不安もありましたが、とてもいい経験になりました。
研修生たちの言葉から、内子町や林業には都会にはない魅力がたくさんあることが改めてよく分かりました。
林家の皆さんが喜んでくれたこともうれしいです。
木を育て、山を守り続けることは、町にとっても大切な役割を果たしています。
ただ、実感できる機会は少ないので、梅岡さんの「研修生の喜ぶ姿を見て、自分の仕事に誇りを持てた」という感想が心に響きました。
気軽に話しかけてくるおっちゃんや、元気にあいさつしてくれる子どもたち、困っていたら助けてくれたおばちゃん――。
内子町民にとっての当たり前は、都会では考えられないことだったりします。
わずか1週間でしたが、心温まる体験をした研修生の皆さんは、一生内子町のことを忘れないと思います。
受け入れた私たちも町のよさを再認識できました。
みんなが前を向ける取り組みで、林業や町の未来へのいい種まきになったのではないでしょうか。
〔広報uchiko 2021年11月号〕