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あつぎえんぴつの会

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あつぎえんぴつの会

所在地・連絡先 〒211-0041 厚木市中町1丁目8-11
TEL:090-2238-0837(岩井)
校種 自主夜間中学校。木曜日10:00-15:00

あつぎえんぴつの会「学ぶことは未来の扉をひらくこと」
2023年9月18日、13時30分~16時。あつぎ市民交流プラザ。
会や相模原公立夜間中学の紹介、元文部科学事務次官による講演「夜間中学から教育を考える」。
定員80人。無料。
申込み:不要。先着順。
問合せ:教育総務課【電話】225-2663。
〔広報あつぎ 第1405号(2023年8月15日発行)〕

学ぶ幸せ知る喜び
「知りたい、分かりたい、学びたい―」。学びは、人生をより豊かにし、日常に彩りを与えてくれます。
今回の特集では、年を重ねても、社会に出ていても、学ぶことを追い求める人、その熱意を支える人を紹介します。
あつぎえんぴつの会
「この漢字は何と読みますか」「どちらの数字が大きいと思いますか」。
あつぎ市民交流プラザの一室で、漢字の書き取りや分数、図形、英語など、さまざまな授業が展開されています。
教材に真剣なまなざしを注ぐのは「あつぎえんぴつの会」の皆さん。
戦争や病気、家庭環境などの事情で小中学校の勉強ができなかった方に学び直しの場を提供しようと、ボランティアスタッフが月2回運営する自主夜間中学です。
学べなかった悔しさ
一人目の生徒となったのは、渡部(わたべ)フサ子さん(82・森の里)です。
渡部さんは富山県で暮らしていた小学6年生の8月、太平洋戦争で大きな空襲に遭い、家と学校を失いました。
その後すぐに父親も亡くし、小学校を卒業できないまま、生活のために働く毎日となりました。
結婚し、仕事と子育ての両立に多忙な毎日を送りながらも、勉強したいという気持ちを捨て切れなかった渡部さん。
「子どものテストを見ても、教えてあげられないのがつらかった。ちゃんと基礎から学び直したかった」と当時の悔しさを振り返ります。
これまで都内などいくつもの夜間中学を見学してきましたが、入学条件や距離が壁となり、通学には至りませんでした。
転機が訪れたのは、平成25年11月。
渡部さんの熱意を知った横浜の自主夜間中学のスタッフが厚木まで通ってくれることになり、「あつぎえんぴつの会」が誕生しました。
漢字の書き取りや計算から始まり、現在はローマ字の読み書きに励む渡部さん。
「心の隙間が満たされていくよう」と念願の「学び舎(や)」を得た喜びを表現します。
昨年10月、知名度を上げようと、会で夜間中学を題材にした映画上映会を開催したところ、生徒は一気に7人に増員しました。
「手紙を書きたいのに漢字が分からない」「孫に聞かれた算数の問題が解けなかった」「ローマ字表記の駅名を読めるようになりたい」など、心を同じくする仲間が市内外から集まり、共に学ぶ喜びを味わっています。
教える醍醐味(だいごみ)も
現在、会の代表を務める岩井富喜子さん(65・下古沢)は、市内の小学校で38年間特別支援学級を担当してきた元教員です。
26年2月から会の運営に携わり、渡部さんたちの学習を支えています。
「授業はほとんど休まず、家での自習にも一生懸命。分からなくても生活はしていけるのに、感心するばかり」と話す岩井さん。
授業では、参考書を使う人もいれば、新聞を書き写す人もいるなど、一人一人に合った方法で勉強ができるよう工夫しています。
「どう教えれば分かってもらえるか、教師の初心に返ることができて常に新鮮」と教える醍醐味を感じています。
スタッフには大学生も加わり、勉強を教える一方で生徒から社会や人生について豊富な経験を聞くなど、共に学び合う場となっています。
学びの広い受け皿に
公立の夜間中学は県内に2校と少なく、渡部さんのように長い間学びの場を求めている方がいるのも現状です。
「行く末は会の体制を充実させ、学びたいけど学べなかった人たちの広い受け皿にできたら」と岩井さんは願います。
「いつか高校卒業の資格を取りたいけど、体力的にどうかしら」と話す渡部さんに「人生、生きている限り勉強。健康第一に、一緒にがんばりましょう」とほほ笑む岩井さん。
会には、学びを通して生き生きと輝く、たくさんの笑顔があふれています。
「あつぎえんぴつの会」では、一緒に学び直したい方や、スタッフを募集しています。
問 岩井代表TEL090- 2238-0837
〔広報あつぎ 平成28年2月1日〕

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