Job:ディスプレイデザイナー
ディスプレイデザイナー
〔2003年原本〕
デコレーターを自称する人もいます。デパート、ブティックなどの店舗、自動車ショーやファッションショー会場の飾りつけ展示をするデザイナーです。デパートではショーウィンドーや展示会場づくりが中心となります。特殊なものとして映画撮影の場面セッティングがあります。
ブティック程度の小規模なところならブティックオーナーと相談し、いっさいを任されることもあります。デパートなど大規模なものは、デパート側の企画担当者からテーマ、主力商品などの営業政策、販売目標、それに商品提供メーカーの要望をきいて総合的なコンセプトづくりをはじめます。
このコンセプトをもとに素図やパース画が作られます。これを作る人をAD(アートディレクター)とかビジュアルコーディネーターとよんでいます。「商品、宣伝、装飾」の三位一体がディスプレイの理想であるといわれています。その方針内で、方針の一部に自分なりのイメージや創造性を発揮するところがあります。
このディスプレイの設計がディスプレイデザイナーの仕事ですが、デコレーターはその実行者として実作業面を受けもつ職として分けている人(所)もあります。ほとんど同一職種と考えていいものですが、作業をする人が多くなっているので分業化はすすむかもしれません。
デパートなどでは月ごとにディスプレイはライバル店の動向なども考えて、新しい装いをつくることが求められます。売り場の背景、色彩の全体的なトーンや組み合わせ、照明、ケースの種類と配置、幕や看板の利用、飾り花、置き花、マネキンの衣装、いろいろな小道具や材料などを集め、商品を陳列していきます。
雑用も多く、金槌、ペンチ、テグス、ニッパーなどを使って重労働部分もあります。しかし女性が増えているのはこれが、“お店づくり”で、女性の感性を必要としているからです。
仕事の時間は定休日や店舗の営業時間を終えた夜間ということがほとんどです。
デパートのビジュアル部門の社員、装飾専門会社の社員、広告代理店のディスプレイデザイン部門の社員、一部にはフリーの人もいます。美術系学校とファッション系学校の2大源流で、これらの学校で基礎技術を学ぶことになります。ディスプレイの作業現場に出向いて「手伝わせてください」とはじめた人もいるとききます。商品装飾展示技能士という技能資格もできています。
自分の手がけた会場でディスプレイのおもしろさが話題になったり「売り上げが好調」と聞くと嬉しくなるものです。体力が必要で時間的に不規則ですが、収入が特別にいいとはいえません。
〔給〕は〔並〕。
〔参考〕(社)日本ディスプレイデザイン協会
〒107-0062 東京都港区青山5-1-18 ボヌール青山4B
TEL03-3406-0062
http://www.jidpo.or.jp/dda/
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