兵庫県こども家庭センター
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加古川の虐待:児相の判断、再発リスク低く評価 防止委が指摘 /兵庫
生後間もない男児と生後2カ月の女児が父親(25)に暴行を受け、重傷を負った事件を巡り、県児童虐待防止委員会(委員長・立木茂雄同志社大教授)は29日、井戸敏三知事に検証結果を報告した。
県中央児童相談所が父親による虐待の再発リスクを低く評価していたと指摘した。
報告書などによると、父親は2013年4月、加古川市で生後15日の長男を床に投げつけ頭蓋骨(ずがいこつ)骨折の重傷を負わせた。
同年7月に傷害容疑で逮捕されたが、起訴猶予となり、14年8月に家族で姫路市に転居。
14年12月に生後2カ月の次女を前後に強く揺さぶって外傷性くも膜下出血などの傷害を負わせた。
父親は殺人未遂罪などで懲役9年の判決を受け、確定している。
児相などの対応については、長男の事件では中央児相は、治療した病院や加古川市の反対にもかかわらず、「再発の可能性は低い」として一時保護をしなかった。
さらに転居の際には、姫路市に見守りを要請しつつも「再発の可能性は低い」とも伝えた。
報告書はこのことが児相と姫路市の間に危機意識の温度差を生じさせたとした。
再発リスクを低く評価した一因として、長男のように重い後遺症を負った乳幼児の一時保護委託先確保が困難だったことが影響した、と指摘。
一時保護委託先の確保や、転居など家族の変化に応じ、児相や自治体などの関係機関が虐待のリスクを再度評価することを求めた。
〔2016年8月6日・貧困ネット、◆平成28(2016)年〕